妊娠36週に入ると、いよいよ臨月です。この9ヶ月間は妊娠前と比べ、ママの気持ちを考える機会が増えたり、家事を分担したり、育児について知ろうとしたりとパパ自身にも変化があったことでしょう。しかし、産後は赤ちゃんのお世話が最優先になるので、さらに生活が大きく変わっていきます。新し生活に慣れるまでは、疲れやストレスをうまく発散できず、パパ・ママ共に余裕が無くなってしまうこともあるようです。そのためにも、今のうちから産後の家族としての生活にも目を向けておくことが大切です。
そこで今回は、臨月に入ったころのママの身体の変化についてと、パパにぜひ考えておいてほしいことをお伝えします。
妊娠36週以降のママの身体に起きる変化
臨月以降のママの身体は、出産に向けてさらに変化していきます。赤ちゃんは、子宮の中で自由に動けないほど大きく成長し、頭を下に向けて骨盤に下がってきながら、出産のときを待っています。我が子に会える日が待ち遠しいという思いから、陣痛を促す方法や、出産のサインなどに関心があるパパ・ママも多いでしょう。まずは、臨月になり出産の準備に入っていくママの身体に起きる変化や、産院に向かうタイミングについて知っておきましょう。
お腹が張りやすく前駆陣痛も始まる
パパのためのマタニティセミナー#14で妊娠後期はお腹が張りやすい時期だとお伝えしましたが、臨月にはさらに前駆陣痛も始まります。定期的に強い痛みを感じる陣痛とは違い、不規則に生理痛のような軽い痛みを感じるのが前駆陣痛の特徴です。この陣痛の予行演習のような生理現象は、しばらく安静にしていると治っていきます。個人差があるため、頻繁に経験する人もいれば、まったく経験しないまま本番になる人もいるでしょう。
ママが痛みや張りを何度か感じているようなら、まずは休息をとってもらい、何分おきに波がくるかを計ってみます。初産の場合、10分間隔で陣痛の波がやってくるようになったら、産院に向かうタイミングです。1時間ほど様子を見て、定期的に痛みを感じているようなら、陣痛が始まっているのかもしれないので産院に連絡してください。
軽い運動ができるようになる
いつ産まれてもおかしくない正期産(妊娠37~42週以降)に入り、体調がよければ、軽い運動ができるようになります。子宮の血行をよくすると陣痛が促されるため、ウォーキングやスクワットを始めるママも多いでしょう。大きなお腹で足もとが見えにくくなっているので、ママと一緒に散歩に行くときは、段差などで躓かないようサポートしてあげてくださいね。
また、身体を温めると血行促進に繋がるので、お風呂で湯船に浸かるのもおすすめですが、お腹が大きな妊婦は浴槽を洗うのも一苦労です。シャワーで済ませてしまいがちになるママもいるため、パパがお風呂の準備をすることも陣痛を促す手助けになりますよ。
お産の兆候「おしるし」が見られることもある
おしるしとは、お産が近づき子宮口が開いたり、子宮が収縮して卵膜が剥がれることで生じる出血です。トイレから帰ってきたママが「出血していた」と話していたら、以前なら急いで産院に連れていったことでしょう。しかし、いつ出産になってもおかしくない妊娠37週以降なら、お産の兆候である可能性が高いので、焦らなくても大丈夫です。少量で、痛みを感じない程度のものなら、引き続き自宅で様子を見守りましょう。ただし出血量が多い場合や、塊のような場合、破水も起きている場合はトラブルの可能性があるため急いでママと一緒に産院に向うようにしてください。
おしるしは出産が近づいているサインなので、数日から数週間以内には陣痛・破水が始まります。何日後になるかは個人差があるため正確なタイミングまでは分かりませんが、近いうちにその日がやってくることは確かなので、分娩や入院に向けて心の準備をしておきましょう。
陣痛が起きる前に破水が起きる可能性もある
陣痛開始前に破水が始まることを、前期破水といいます。「尿もれ?」と勘違いしてしまうほど少量の羊水が出ている場合もあれば、チョロチョロと流れ出るのが止まらない場合もあります。いずれにせよ、赤ちゃんを守っていた羊水が減ると、栄養を送る臍の緒や赤ちゃん自身が子宮に圧迫されてしまう危険があるため、急いで産院に向かう必要があります。もしママが普段の尿もれとは違うように感じているなら、念のため羊水が減っていないか確認するためにも、産院を受診するよう促しましょう。