柔らかくて甘みも豊富な春キャベツのおいしい時期になりました。千切りで主菜に添えられることの多いキャベツですが、生食以外でも炒めたり煮込んだり幅広い食べ方で楽しまれています。でも、パパ・ママは売場でキャベツを選ぶ時、おいしいキャベツをしっかり見極めて買っていますか。また、お家では適切な保存をしているでしょうか。今回は知っておきたいキャベツのイロハをご紹介します。
キャベツの伝来は18世紀初頭
キャベツの原種は今のケールのような形で、ヨーロッパ西部や南部の海岸地帯に生息する多年草でした。世界最古の野菜の1つとされており、古代ギリシャの頃から栽培されていました。現在のような結球型になったのは13世紀頃で、その後、17世紀頃に北米や中国にも伝わっていきました。日本には18世紀初頭にオランダ船によって長崎に持ち込まれたのが最初になります。
当時は主に観賞用の葉ボタンとして栽培され、オランダから持ち込まれたことから紅夷菘(おらんだな)と呼ばれていました。食用として栽培されるようになったのは明治になってからで、一般家庭の食卓に普及したのは第二次大戦以降になります。生産者の熱心な試行錯誤により品種改良が進み日本独自の栽培品種が生まれ、その成果が今の主要野菜の地位を築くに至ったのです。
おいしいキャベツの見極め方
売場でおいしいキャベツを選ぶには、何をチェックすれば良いのでしょうか。幾つかポイントがあるので、しっかりと覚えて実践していきましょう。
1, キャベツの裏側をチェック
まずは、キャベツの裏側をチェックします。5本の筋がありますが、その間隔が均等になっているかを確認してください。キャベツの裏側が五芒星のようになっているのは、しっかり光合成をするためで、この部分が均等になっておれば生育時に余分なストレスを受けておらず、スクスク育っている証になるのです。おいしいキャベツの見極め方の第1歩は、裏側のチェックと覚えておいてくださいね。
2, 外葉がついたものがお薦めです
キャベツの外葉は使わず捨ててしまいますが、選ぶ時は、外葉がしっかりしてきれいなモノがお薦めです。裏返して芯の切り口をチェックしてください。瑞々しさを保っておれば鮮度の高い証です。芯が乾燥しているようなら、収穫から時間が経ってしまっているので避けるようにしましょう。
そして外葉が紫色になっておればベストです。紫色の正体はアントシアニンというポリフェノールで、生育中のキャベツが寒さから身を守る際に生成されます。キャベツは寒さに当るほど中身がしっかり詰まり、甘くなるという性質があるので、紫色の外葉のキャベツはおいしさのサインと言えるのです。
3, 半分にカットされたキャベツは、芯の太さをチェック
半分にカットされたキャベツを買う際は、芯の太さをチェックしましょう。太すぎるものは、かたい部分が多く、食べれる部分が少ないので注意してください。そして巻きがしっかりしているものを選びます。巻きがきつくギュッと詰まっているのもにおいしさも詰まっていると覚えておいてください。
キャベツの保存方法
キャベツをそのままの大きさで冷蔵庫に保存すると、どうしても野菜室の中でかさばってしまいます。スグに使わない場合は、あらかじめ食べやすい大きさに切ってから冷凍庫にいれて保存しましょう。上手に冷凍するポイントは、1~2分ほど冷水に浸し、しっかり水気を切ってから、ジョッパー付きの保存袋に入れて凍らせると、鮮度を保ったまま保存できます。
食べる時は、サラダなどの生食なら自然解凍で大丈夫ですし、和え物にする場合は、熱湯をサッとかけて水気を切ってから調味料と合わせます。炒め物や煮物に使う場合は、凍ったまま、加熱してもOKです。一度、解凍したキャベツをもう一度冷凍するのは品質が劣化するので避けましょう。
おいしい春キャベツを選んで家族で楽しみましょう
おいしいキャベツの選び方と保存の方法、いかがでしたか。売場で見極める際は、今回ご紹介したポイントでしっかりチェックして、良いキャベツを選びましょう。そして春キャベツと桜えびのパスタなど、おいしいキャベツ料理を家族みんなで楽しんでくださいね。
【参考文献】
※『野菜の文化と健康』|株式会社文芸社1999年刊
※『機能性野菜の教科書』| 株式会社誠文堂新光社2020年刊