職務経歴書の作成ポイント10個
ポイント
①ストーリーを意識する(キャリアの溝を見つける)
あなたの今までの選択は、色々な思いがある中で最終選んできた道なので“ストーリー”が必ずあるはずです。
【点】ではなく【線】で、いままでのあなたのストーリーを伝えられることができれば、より納得感が生まれます。
具体的に言うと
・全く違う職種や業種への転職
・ワーキングホリデーや留学
・資格を取るための空白期間
このような職歴がそのまま書いてあるだけだと、繋がりがなく「なんで全く違う職種を選んだの?」「なんて空白期間があるの?」「なんで資格を勉強しようと思ったの?」と疑問が生まれてしまいます。
このような職歴を「キャリアの溝」と呼んでいます。
キャリアの溝は一見繋がりがなく見えてしまうので、その選択をした理由をしっかり添えて、繋げてあげることが重要です。
②定量と定性で伝える内容を考える
定量的な内容と定性的な内容をそれぞれ職務経歴書に入れるようにしましょう!
『定量的』とは、物事を数値や数量に着目してとらえることを言います。
簡単に言ったら、具体的に伝えるということです。
そして、全く関係ない人が見てもわかる具体的な数値で伝えましょう!
例えば
「売上〇〇万円(ノルマ〇〇万円:達成率◯%)」
「昨対比から○%コストカットを実現」
「従来より○%の工期短縮へ」
特に営業マンの数字に関しては、昨対比、目標達成率、社内順位など比較対象や難易度がわかる事実を書きましょう!!
売上1億円です!!
とだけ書かれても、面接官はそれがすごいのかすごくないのかわかりません。
たまたま1億円の注文をするクライアントがいて、たまたまあなたが担当しただけかもしれませんよね。
『定性』は、定量とほぼ真逆の意味で、物事が数値化できない要素のこと。『定性的』は物事を数値化できない部分に着目し、とらえることを指します!
数字を使わない表現はしばしば抽象的になってしまい、認識がそろわない可能性があります。
職務経歴書で記載するべき『定性的』な内容は思考とプロセスです!
・どんな考えで行動したのか
・その仕事にどんな創意工夫をしたのか
・課題にぶち当たったときに、どうしたのか
・どんなことを学んだのか
③長くても3〜4枚でまとめる(だらだら全て書かない)
転職回数が多い方は、全ての職歴をつらつら書いてしまうと職務経歴書はすごい量になってしまう可能性が有ります。
職務経歴書は一般的に、20代なら2枚程度、30〜40代で社会人経験が長くなると3〜4枚程度にまとめるのが望ましいと思います。
正直、採用企業にとって重要な情報“だけ”が書かれているのであれば、職務経歴書はOKなのです。
読んでみないと重要かどうか分からないような文章の塊が目に入ってくると、それだけで読み手は「長い」「分かりにくい」と感じてしまいます。だらだら長い職務経歴書は面接官に呼んでもらえません。
大事なのは長さや文章量ではなく、採用担当者にとって重要な経歴について十分な情報が書かれていること、さほど重要でない経歴についてはコンパクトにまとまっていることです!!
④下線や太文字を駆使して強調する
これは小技ですが、文字の強調や変化をつけて全体的にメリハリを出して、読み手(採用担当者など)が読みやすいように工夫しましょう!!
一度でも採用をやったことがある方はわかると思いますが、何通、何十通もの書類をチェックするのは大変な作業です。
その中で読みやすいように工夫を凝らしてある書類は、とても魅力的に見えます。
・タイトルの文字の大きさ
・文字の頭位置の統一
・目立たせたいところに下線
⑤面接官は“全て読まない”ことを意識する
④にも繋がることですがあなたが思っているより面接官は、あなたの応募書類を深くまで見ておりません。
(もちろん見てる方もいますが、、)
あなたもこのメディア、このページを隅から隅までなんて読んでないですよね?
基本流し読みして、気になったところだけ止まって読んでいると思います。
面接官も同じです。
ですので、気になってもらって立ち止まってもらう工夫が必要なのです!
⑥職務内容は「STARフレームワーク」で書く
STARフレームワークの「STAR」は、「S(Situation:状況)」「T(Task:課題)」「A(Action:行動)」「R(Result:結果)」の頭文字をつなげたものです。
この4つで情報を整理すると、あなたの考え方や行動、その行動をとった思考プロセスを明確に伝えることができますので、参考にしてみてください。
S(Situation:状況)
状況、環境、背景、目標、きっかけ、チーム体制など、あなたのその時の外部環境を明確にします。
同じ売上1億円という成果でも、フォロー体制や顧客リスト、既存顧客がしっかりある状態の大手企業での成果なのか、0からスタートしたばかりのスタートアップで何もない状態から作った成果なのかで、受け取り方は変わってきます。
T(Task:課題)
どんな課題、どんな役割を担っていたのか。
最初に確認することは「会社から与えられたタスク」なのか、「自ら設定したタスク」なのかということです。
どちらもある方は、タスク毎にどちらのタスクなのかを整理しておくことをおすすめします。
会社から与えられたタスクが悪いというわけではありませんが、自ら設定したタスクがある方がより主体的に仕事に取り組んでいたことが伝わります。
「なぜ、それが課題だと思ったのですか」
「誰がどのようにそのタスクを設定したのですか」
「具体的にどのようなタスクだったのですか」
という質問で、自分で深掘りしてみましょう!
A(Action:行動)
具体的にどんな行動をとったのか。具体的にどんな創意工夫をしたのか。課題に直面した時に、具体的にどんなアクションをしたのか。
あなたがTask(課題)に対して、どんな行動をして取り組んでいたのかということを深堀して整理します。通常1つの課題に対して、行動の選択肢は1つではありません。数多くの選択肢の中から、何故その行動をして、他の行動はしなかったのかについても考えておくと、面接で深堀されたときにスムーズに答えられるはずです!
R(Result:結果)
そして最後に結果です。最終的に成し遂げることができた結果を深堀します。
この結果の深堀りのポイントは、結果=成功ではないということです。行動した結果、うまくいかなかったことも1つの結果です。
成功した結果、失敗した結果ともに書き出して、それそれどんな結果だったのか整理しましょう!
また成功、失敗どちらの結果でも、「なぜ成功したのか」「なぜ失敗したのか」「次はどうしたら成功するのか」などの振り返りの内容もまとめておくと尚いいでしょう。
⑦Googleスプレッドシートで日々更新できるようにする
これは職務経歴書を作るポイントではないですが、職務経歴書はスプレッドシートで日々更新していくことをおすすめします。
別に職務経歴書は、転職活動をしているときに作らないといけないものではありません。昔の記憶を思い出しながら作っていくより、1つの仕事の経験をしたら付け加えるように癖付けておけば、いざ「転職活動をしよう」と思った時にすぐに動き出すことができます。
スプレッドシートがおすすめなのは、エクセルやワードのファイルと違って、どっかに言ってしまうことがないからです。
⑧専門用語や社内用語など使わない(学生にでもわかるように記載する)
職務経歴書に限らず、面接の場でも言えることですが、あなたがいつも使っている言葉を必ずしも面接官が理解してくれるとは限りません。
応募企業が同じ業界で、業界内では常識的な言葉だとしても注意が必要です。
面接官が知らない言葉を使って、コミュニケーションエラーになる事のリスクを考えたら、常に「誰にでもわかる言葉」を使っておく方がベストです!!
どうしても専門用語を使わないといけない時は、前置きで簡単に説明するなど工夫をしましょう!
⑨応募するポストに合うスキルセットを押す
基本書類選考をするのは、人事担当者様であることが多いです。ですので一番最初にジャッチされることは、募集ポジションとのマッチ度です。
職務経歴書を見て「この経験があるなら、今回募集しているポジションでもその経験を活かしてもらえるだろう」という想像をします。
ですので書類を読んでもらう私たちからしたら、応募する求人の内容をよく読んで、どんな経験を書いたら「今回募集しているポジションにマッチする」と思ってもらえるかを考える必要があります。
自分の経歴の中から、応募企業の募集中ポジションとマッチする経歴を深掘りして記載し、関係ない内容は端的にまとめて、伝えたい内容のみがしっかり伝わるように意識しましょう!
⑩最終チェックは必ずしよう
一通り、職務経歴書を作ったら、必ず時間をおいて最終チェックをしましょう!
またどうしても自分で作っていると、なかなか間違いや変な言い回しに気が付かないこともあるので、おすすめは信頼できる他の人にチャックしてもらうことです!
最終チェックリスト
- 日付は提出日になっているか
- 日付を和暦、西暦のどちらかに統一できているか
- 「です・ます調」「だ・である調」が混在していないか
- 文字のフォント・サイズの使用法は統一できているか
- 誤字脱字はないか(変換ミスに特に注意)
- 数値を使って実績を具体的に表現できているか
- 他社の人にも分かる客観的な指標が用いられているか
- 長すぎる文章はないか(一つの段落、項目につき最大4行程度が目安)
- 箇条書きや表で分かりやすく整理されているか
- 見出しを付けて分かりやすく整理されているか
- 読みやすいように適切に改行や余白を設けているか
- 余白のサイズは統一されているか
- 募集ポストに必要な経験・スキルを意識した内容になっているか
- 社内用語が使われていないか
- 専門用語が多用されていないか