『みんな大好き♫桃のおいしさについて語りましょう』~子どもと一緒に食を考える #43

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『みんな大好き♫桃のおいしさについて語りましょう』~子どもと一緒に食を考える #43

Terry Naniwa

Terry Naniwa

編集・ライター稼業に従事すること30余年。 子育ては卒業も、新米パパ&ママに先人の教えや 大切な伝統を発信することをライフワークに活動中。 明治、昭和、平成と時をこえて今も息づく暮らしの知恵を 届けます。

桃はまさに今が旬で、一番の食べ頃です。独特の芳香とみずみずしく甘い味わいは、子どもから大人まで、年代を問わず人気のある果物です。そこで今回はそんな桃の旬と産地、選び方や食べごろの見分け方、保存法、あわせて桃を系統別に分けて紹介します。この記事を参考に家族で桃について語り合ってくださいね。

桃の産地はどこ?

桃の生産地を県別で並べると、1位は山梨県、次いで福島県が2位です。加えてこの2県で全国シェアの5割以上の生産量を誇っています。以下、長野県や山形県、西日本では和歌山県、岡山県で栽培が盛んです。かつて生産量日本一だった岡山県は、工業地域の拡大により栽培面積が減少し現在は6位に甘んじていますが、清水白桃の名産地として、いまだにブランドの人気は健在です。

その他の地域でも栽培は熱心に取り組んでおり、果物の産地として知られている場所の大半が桃の産地でもあります。福岡県や熊本県がその代表と言えるでしょう。各地を訪ねた時に、いままで見たことのない品種の桃に出会うことも旅の楽しみの一つでしょう。

おいしい桃の選び方

良い桃とは、基本的に形が左右対称で、全体的に赤色が濃いタイプとされています。枝がついていた軸側ではなく、反対のお尻側が白色をしているもの、そして香りが強いものを選ぶのがポイントです。黒ずんだ赤色の桃はまだ熟していないため、硬い場合が多いので注意しましょう。果皮の表面に細かいひび割れ模様がある桃は、見た目は良くないものの、陽射しをたっぷり浴びた証拠で、甘くておいしいことが多いで覚えておきましょう。

桃の食べ頃を見た目で判断するのは、かなり困難です。指で押して調べるという人もいますが、販売されている桃を触るのは絶対にNGです。「柔らかい=甘い」と思い込んでいる人が意外と多いようで、桃は追熟させると柔らかくなるものの、糖度は収穫時から変化しないのです。

種類によっては5月から楽しめる桃もあります

桃の品種はたいへん多く、その旬の時期にも幅があるのが特徴です。農林水産省の品種登録データベースでは、なんと280~300種ほどの品種が、生産者名とともに登録されています。桃の収穫時期は、早生・中生・晩生と大きく3つに分けられます。一番早い品種でで5月くらいから店頭に並ぶ「極早生種」がありますが量はまだわずか。やはり最盛期は7~8月で、多くの品種が食べ頃を迎えます。さらに晩生種では9月の終わりから10月に差しかかるころまでと、収穫期に違いがあるのです。

時期こそ長いものの、みずみずしい桃を食べるなら、やはり夏から初秋までのタイミングが一番です。旬を逃さず、季節の味わいを楽しみましょう。

桃の保存方法とおいしい食べ方

暖かい時期に実を結ぶ桃は、冷蔵庫での保存に馴染まないデリケートな果物です。熟して柔らかくなった桃は、時間がたつほどに傷むため、早めに食べるように心がけましょう。まだ硬い桃は、常温で保存するのがポイント。しばらくすると、追熟して柔らかくなります。どうしても冷蔵庫で保存したい場合は、ひとつずつ新聞紙などに包んでからポリ袋に入れ、お尻を上にして野菜室に入れておきます。常温の桃は、食べる1~2時間前にサッと冷やすようにしましょう。ラップで包んで氷水で冷やすのもお勧めです。

桃の代表的な種類は4つ

1. 白桃系……白桃は明治時代に、岡山県の大久保重五郎氏によって発見された桃です。じつは日本の桃の祖はこの白桃といわれ、ここから「白鳳」や「あかつき」といった品種が生まれたとされます。白鳳と同じく、果汁たっぷりのジューシーな味わい。果皮の色は、白っぽいものから紅色のものまであります。

2. 白鳳系……7月中旬から8月上旬に出荷のピークを迎えます。酸味が少なく果汁たっぷりで、上品な甘さがあります。果皮は鮮やかな紅色、果肉は白くやわらかいです。ジューシーでやわらかく、甘い桃といえば、この白鳳系に人気が集まるようです。

3. 黄桃系……その名のとおり、果肉が黄色い桃が黄桃です。本来は「白鳳」や「白桃」に比べると果肉はやや硬く、糖度が低いものがほとんど。そのため缶詰用に加工されることが多い品種でしたが、最近は品種改良が進み、生食用の甘い黄桃が出回るようになりました。

4. あかつき……農林水産省の果樹試験場が、白鳳と白桃を交配育成して生まれた桃です。栽培面積では、福島県が全国シェアの半分以上を占めています。桃全体のなかでも、収穫される品種の2割近くあり、日本でもっとも生産量が多いことで知られています。サイズは250~300gほどまで育つ中生種で、果皮全体が薄紅色に染まるきれいな桃。ほのかに紅が混じる白い果実は、酸味が少なく、糖度が高いのが特徴です。肉質はしっかりしていて、日持ちにも優れています。

旬の桃を選んで家族で楽しみましょう

桃の選び方から保存方法、品種についてご紹介してきました。桃にはたくさんの品種があり、それぞれに味や食感が異なるもの。近くの産地のものだけでなく、希少品種や遠い産地の桃はお取り寄せして、食べ比べしてみるのも楽しいですね。夏の果物ですが、時期をずらせば出回る品種も次々と変わっていきます。桃といえばデリケートなイメージですが、硬めの日持ちする桃もあるので、お中元やお盆のお供えにも重宝します。ジューシーな桃を家族皆で楽しんで、暑い夏を元気に過ごしてくださいね。

【参考文献】

※『果物図鑑ミニ』|マイナビ出版2021年刊

※『からだのための食材大全』| 株式会社NHK出版2018年刊

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