名もなき家事とは「掃除」「洗濯」「料理」のようなはっきりとした名前はないけど、生活を続けるうえで欠かすことのできない細かな家事のことをいいます。名前もつかないような些細な作業かもしれませんが、それを「する」と「しない」のでは家族の暮らしに大きな影響がでてきます。今回はこのような名もなき家事たちが、どうしてパパには見えないのか、どうしたら見えるようになるのかをアドバイスします。
パパにまず知ってほしい!名もなき家事とは一体何か?
名もなき家事と言われてもすぐにはピンときませんよね。では「食後の片付け」という家事をみてみましょう。
「食後の片付け」でまず思いつくのは「食器洗い」ですが、「食後の片付け」=「食器洗い」という考えは不正解です。あくまで「食後の片付け」において「食器洗い」はその代表的な作業ですが、実際に「食器洗い」を行ってみるとその前後に細かな家事がたくさんあることに気づくはずです。この細かな作業こそが名もなき家事なのです。「食後の片付け」に含まれる名もなき家事をあげてみましょう。
「食後の片付け」に含まれる名もなき家事
- 食器を流しに運ぶ
- 食事したテーブルを拭く
- 水切りしていた調理器具などを片付けて、洗った食器を置く場所を作る
- 生ゴミを片付ける
- 洗い終わったシンクの掃除
- コンロの焦げ付きや油汚れの掃除
- 布巾やまな板、スポンジの漂白・除菌
- 食器洗い洗剤の補充
- 洗った食器を拭いて棚に戻す
etc…
このように「食後の片付け」の中にある細かな作業は、あげればキリがないほどあります。しかし、食後にとりあえす「食器洗い」さえ終わらせてしまえばシンクと食器はまた使えますよね。つまり名もなき家事とは「食器洗い」に比べて優先度が低く、やろうと思えばすぐ終わるような些細な作業の集まりになります。
どうしてパパには名もなき家事が見えないのか?
名もなき家事は、このようにたくさんあるのに、どうしてママ以外の人は気づかないのでしょうか。名もなき家事に気づかない主な要因は2つです。
家事導線が見えていない
キッチンを管理しているママからすれば、名もなき家事は絶対にいつかはしなくてはならない家事であり、かつ手抜きができる作業ではありません。食器洗いだけ終わらせても、シンクの汚れや生ゴミが残っていると、嫌な臭いの原因になります。また食器がいつまで経っても水切りの上にあったら、次の食器洗いの際に困るので、いずれは水滴を拭いて食器棚に戻さなければなりません。
とはいえ、このように家事の前後関係まで考慮できるには、家事の経験を積み、家事の全体像が把握できるレベルになっていないと困難です。つまり家事導線を考えながら作業ができなければ、名もなき家事は見えてこないのです。
パパが気づく前にママが名もなき家事を片付けている
「名もなき家事のような細かいことを考えなくても、ちゃんと家事を手伝えていた」と思うパパも多いでしょう。上述したように細かい作業がたくさんあるのに、それらを気にしなくてもメインの家事ができていたのは、先に気づいたママが、パパが気づく前に名もなき家事を片付けていたからです。
例えば「食器洗い」を思い返してみると、すでに食器が運び込まれている状態からスタートしていませんでしたか?もしくは洗っている途中にママがどんどん食器を運び込んでくれ、連携して作業をしたという方もいるでしょう。このような経験があるなら、それはママが「パパが家事をしやすいように」と名もなき家事をしてくれた証なのです。
他にもある!「パパが家事をしやすい」ためにしておく名もなき家事とは
- 掃除機をかける前に床の物を退かす
- 洗濯物を干す前に、干すための道具を用意する
- 買い物リストを作っておく
- お風呂掃除がすぐに始められるように浴槽のお湯を抜いておく
etc…
ママが名もなき家事を片付けているから、パパは名もなき家事まで気を回さなくてもメインの家事に集中できていたのです。その結果、パパが名もなき家事に気づくタイミングを逃していたのです。ママが名もなき家事をこまめに片付けている家庭ほど、家族は名もなき家事を意識する機会がなく、その実態が見えてこないのです。