『今が旬真っ盛り、海の刀剣乱舞・太刀魚の魅力』~子どもと一緒に食を考える #21

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『今が旬真っ盛り、海の刀剣乱舞・太刀魚の魅力』~子どもと一緒に食を考える #21

Terry Naniwa

Terry Naniwa

編集・ライター稼業に従事すること30余年。 子育ては卒業も、新米パパ&ママに先人の教えや 大切な伝統を発信することをライフワークに活動中。 明治、昭和、平成と時をこえて今も息づく暮らしの知恵を 届けます。

身が柔らかく加熱すると骨から外しやすいので、子どもでも食べやすいと食卓で人気の太刀魚。一年を通して水揚げされる日本ではポピュラーな魚ですが、産卵期の7月~10月頃が旬と言われ、まさに今が旬真っ盛りなんです。そこで今回は太刀魚のおいしさから豊富な栄養まで、その魅力に迫ります。

刀身(太刀)のような姿がその名の由来?

太刀魚の名前の由来は、刀身(太刀)のような銀色の皮と姿をしていることから呼ばれるようになったという説と、立ち姿のように垂直なままエサを捕獲する姿から「立ち魚」と呼ばれるようになったという説があります。海外でも同様に、英語では湾曲した刃を持つ剣を指す「Cutlassfish(カットラスフィッシュ)」と呼ばれています。いずれにしても、スマートな見た目が魅力的な魚で、あっさりと淡白な味わいながら脂の濃厚な風味も兼ね備えていて、食卓で高い人気を誇っている魚です。

日本全国で年中、水揚げされるポピュラーな魚

太刀魚は日本中に生息していますが、温暖な海域を好む傾向にあるため愛媛県や和歌山県、大分県をはじめとする九州各県など西日本各地で水揚げが多くなっています。魚の旬は、産卵期前後の身の厚みや脂のノリで決まりますが、太刀魚は1年を通して脂のノリ方はほぼ変わりません。ただ7月~10月の産卵期には群れて浅瀬に来ることが多く、水揚げの量が増え、岸からでも釣れるようになることからも、この時期が旬とされています。この時期のクセのないおいしい白身を楽しむにはシンプルな塩焼きが良いとされています。

鋭い歯には要注意を!

旬真っ盛りのこの時期は、先にお伝えしたように岸からでも釣れるようになるので、太刀魚釣りに精を出す方も増えるようです。自分で釣った太刀魚は鮮度も抜群で、苦労して釣り上げた分おいしさも格別でしょう。ただ初めて、太刀魚釣りにチャレンジする方は、くれぐれも注意してください。釣り上げた太刀魚の口付近には決して触れないように。画像のように非常に鋭い歯を持っているので、人の指でもかんたんに切れてしまうので気をつけましょう。切り身で売られることの多い太刀魚ですが、丸ごとの姿で売られている場合は、一度その鋭い歯にも注目してみてくださいね。

健康に役立つ豊富な栄養

太刀魚はあっさりと淡白な味わいの印象が強いと思いますが、実際は脂質が多く、100g中の成分を見ると、なんとたんぱく質よりも脂質の方が多い珍しい魚なんです。なのにあっさりと淡白な味わいに感じるのはオレイン酸を多く含んだ脂だからとのこと。オレイン酸は、悪玉コレステロールを減らす働きがあります。

さらに魚が持つ大切な栄養素の代表がDHAとEPAですが、こちらも太刀魚は豊富に含んでいます。DHAは血中の中性脂肪を減らし、善玉コレステロールを増やす働きがあります。EPAは血圧を抑制し血中脂質濃度も下げる効果が認められています。

ビタミン面でも、抗酸化作用を持つビタミンEやAを太刀魚は豊富に含んでいます。こうした栄養素は、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病の予防に役立つ貴重な成分です。パパ・ママの健康にも役立つ太刀魚の素晴らしい栄養をしっかり覚えておきましょう。

家族でおいしい太刀魚を楽しんで

一年を通して食卓で楽しめる太刀魚ですが、旬真っ盛りのこの時期こそ家族みんなでそのおいしさを味わってみてください。身が柔らかく加熱すれば骨から外しやすいので、小さなお子さんでも食べれる便利な魚です。塩焼きからソテー、唐揚げ、煮付などお好みの調理で楽しみましょう。そして鮮度の高い太刀魚が手に入ったら、ぜひお刺身で味わってください。まるでトロのような脂の旨みと濃厚な風味にもかかわらず、あっさりとした淡白な味わいが感じられますよ。ポン酢や柑橘類の薬味でお試しくださいね。

【参考文献】

※ 『からだによく効く旬の食材 魚の本』| 株式会社講談社2013年刊

 

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