『日本のハーブ!春の七草、パパ・ママはすべて知っていますか?』~子ども一緒に食を考える #29

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『日本のハーブ!春の七草、パパ・ママはすべて知っていますか?』~子ども一緒に食を考える #29

Terry Naniwa

Terry Naniwa

編集・ライター稼業に従事すること30余年。 子育ては卒業も、新米パパ&ママに先人の教えや 大切な伝統を発信することをライフワークに活動中。 明治、昭和、平成と時をこえて今も息づく暮らしの知恵を 届けます。

お正月のおせち料理が終わると、1月7日に七草粥を食べる行事がやってきます。日本のハーブとも言われる「春の七草」で作るシンプルなお粥ですが、日本の良き食文化を代表する行事食でもあるのです。しかしながら、パパキャリ世代のパパ・ママに聞くと、春の七草という言葉を知っているけど、七種類のすべてが何かは分からないという人が多いようです。そこで今回は、その七草をやさしく解説しますので、ぜひ覚えて、お子さんにも伝えてあげましょう。

七草粥の由来とは

中国の前漢時代(紀元前200年頃)には、1月1日は鶏、2日は犬、3日は猪、4日は羊、5日は牛、6日は馬、7日は人という流れで、それぞれの占いをして新年の運勢を読み解く習慣がありました。その中の人を占う7日の日は「人日(じんじつ)の節句」という大切な日とされていました。 さらに時代は進んで唐の時代(600年代)になると、人日の日に「七種菜羹」(ななしゅさいのかん)と呼ぶ7種類の菜を入れた煮汁を飲むようになり、健康で無事暮らせるようにと願いをかけたといいます。

この習慣が遣唐使によって日本にも伝えられ、7種の穀物でお粥を作っていた「七種粥」の習慣と結びついて『七草粥』へと形を変えていったのです。そして江戸時代には、人日の日が大切な節句として定められることで、庶民の間にも1月7日に七草粥を食べるという習慣が定着したのです。

その流れは、令和の今もしっかりと受け継がれており、お正月のごちそうを食べ過ぎた食傷気味の胃腸をいたわるという意味も込めて七草粥は私たちの生活にも根づいています。ただ年に1回の行事となると、そのベースとなる春の七草が何であるかを知っている人は、年々、少なくなっているのが現状です。ではこの機会に、日本のハーブとされる7つのすばらしい菜をご案内していきましょう。

春の七草の特徴①

◯芹(せり)

爽やかで独特な香りが食欲を刺激してくれる菜が「芹(せり)」になります。芹という和名は、芹の若葉が競り合うように生えていることからついた名前で、「競り勝つ」という意味が込められたと言われています。和食のアクセントとして欠かせない食材ですが、葉も茎も食べられるので、和え物やおひたしなど、メインの食材としても和食お料理では重宝されています。

◯薺(なずな)

「ぺんぺん草」とも呼ばれている「薺(なずな)」は7種の中で最も庶民的な菜と言えるでしょう。「撫でて汚れを払う」という意味があり、花の下の果物の部分が、三味線のバチのような形になっているのが印象的な、アブラナ科の植物です。何気ない日常の公園や道端で見かけていたぺんぺん草が、実は春の七草のひとつだったのです。

◯御形(ごぎょう)

「母子草(ははこぐさ)」の別名でも呼ばれるキク科の植物で、葉も茎も白い綿毛で覆われ、春には黄色の小花をたくさんつける菜です。草餅は一般的によもぎで作られますが、古くはの菜が使われたいたようです。今でも、七草粥以外にも、お茶や天ぷらの具材に使われるなど多彩に利用されています。

春の七草の特徴②

◯繁縷(はこべら)

日本最古の本草書とされる「本草和名」に出てくる波久部良(はくべら)が転じ、繁縷(はこべら)と呼ばれるようになった菜です。ハコベとも呼ばれるナデシコ科の植物で、「繁栄がはびこる」という願掛けの意味も持っています。七草粥以外にも、おひたしやゴマ和えとして味わえるほか、野原によく生えていることから人だけでなく鳥などの餌にもなっています。

◯仏の座(ほとけのざ)

「仏の座(ほとけのざ)」はキク科の菜で「コオニタビラコ」という学名が付いています。放射線状に広がる葉の様子が仏様の座る台座に似ていることからつきました。仏教が盛んになった奈良時代から平安時代に名付けられたとされています。特に若い葉は、炒め物や天ぷら、佃煮としてもおいしく楽しめるので高い人気があります。

◯菘(すずな)

「神様をお呼びする鈴」という意味がある菜ですが、実は日常からよく食べるカブの葉の部分のことを指しているのです。古代中国の「詩経」やギリシャ神話などにも登場しており、昔から世界中で食べられていました。もともとは栄養価が高い葉の部分のみが使用されていましたが、最近の七草粥には食感のある本体の部分も一緒に使われています。

◯蘿蔔(すずしろ)

「蘿蔔(すずしろ)」は、現在の大根のことを指しており「汚れのない清白」という意味を持った菜とされています。こちらも、菘(すずな)と同様に、昔はは葉の部分のみが使われていました。もちろん今では、葉と本体のどちらも使って調理されています。お正月のごちそうで疲れた胃腸には、大根がもつ消化促進効果は何よりうれしい効能といえるでしょう。

家族で七草粥を楽しみましょう

「春の七草」のそれぞれの特徴はいかがでしたか。これらが春の七草として称されるようになったのは、「源氏物語」の解説書とされている「河海抄(かかいしょう)」に記された「せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ、…これぞななくさ」が起源とされています。奈良・平安時代から1000年以上を超えて、定着している素晴らしい食文化をパパ・ママも、しっかり覚えて子どもたちに伝えてあげたいですね。そして家族みんなで七草粥をおいしく楽しみましょう。

【参考文献】

※『たべもの起源事典』| 株式会社東京堂出版2003年刊

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