妊娠中、マイナートラブルに悩まされ続けるママが大変なのはもちろんですが、新しい家族の誕生が近づくと、一緒に生活している家族にもそれぞれの不安や悩みが生じます。例えば、上の子がいる場合、パパ・ママの注目が、お腹の中の赤ちゃん(以下、赤ちゃん)に向いてしまうことを寂しく思うことがあります。またパパ自身も、仕事と家庭を両立しようと頑張り過ぎて、気づかないうちに疲労やストレスを溜め込んでいる場合もあるでしょう。
ママの体調が安定してくる妊娠中期は、一緒に過ごす上の子やパパ自身の生活を見つめ直すのに丁度いいタイミングです。今回は引き続きマイナートラブルの紹介に加え、上の子やパパ自身への気配りが大切であることもお話しします。
マイナートラブルの体験談とパパの協力について<後篇>
パパのためのマタニティセミナー第9回のマイナートラブル前篇では、つわり、だるい•眠気、気持ちの揺れ、腰痛、足のつけ根の痛み、肩こりなどの症状について解説しました。後篇では食事改善や体を温めることが有効なむくみ、足がつる、便秘、痔についてを紹介します。
むくみ
夕方になるといつも足がパンパンになり、ひどいときは手や顔もむくんでいた。
むくみは、体に余分な水分が溜まっているサインです。妊娠中はホルモンの影響で血液中の水分が血管外に逃げ、足や手など末端の部分にとどまりやすくなる傾向があります。とくに症状が出やすいのは下半身で、大きくなった子宮に静脈が圧迫され、血行が悪くなり足がむくむのです。適度な運動やお風呂で体を温めることで血行の促進をはかり、余分な水分を排出するようママにすすめてみましょう。
また、食事面では塩分の摂りすぎに注意することが大切です。過剰な塩分の排出を促してくれるカリウムが豊富な食材(切り干し大根、アボカド、ほうれん草など)を摂取するように心がけましょう。むくみや高血圧の予防になります。パパが食事の準備を担当するときもお忘れなく。
足がつる
夜中に足がつって目が覚めた
20代女性
足がつったときの激しい痛みで飛び起きることが何度があった。妊娠前にも疲れた日は就寝中に足がつることがあったが、妊娠中は頻繁におきて辛かった。
妊娠中は大きなお腹を支えるために足の筋肉が疲労し、足がつりやすくなるママもいます。足がつる理由は疲労の他にも、下肢の血行不良、冷え、むくみなどが考えられます。予防には、下半身の冷え対策に靴下を着用したり、入浴をして血行をよくすることが有効です。また就寝前は、ふくらはぎの筋肉を伸ばすストレッチや、足のマッサージをして対策することもできます。お腹が大きくなると足に手が届きづらくなるので、ママが希望するときはマッサージを手伝ってあげましょう。
便秘
妊娠中は慢性的な便秘に
20代女性
子どもへの影響が心配で、お腹に力を入れるのが怖かった。トイレでいきめなかったせいか、妊娠中はずっと便秘だった。
妊娠すると黄体ホルモンの分泌が増え、その影響で筋肉が緩み、腸の動きが鈍くなります。加えて、羊水や血液を作るために体内の水分を多く消費するようになったママの体は脱水症状に陥りすく、便に含まれる水分が減ることも原因に。大きくなった子宮が腸を圧迫することも重なり、排便が滞ってしまうのです。
腸の正常な活動のためには規則正しい食事が何より大切です。「食物繊維」「乳酸菌」「オリゴ糖」が豊富な食材(ごぼう、納豆、もち麦、みそ、バナナ、キウイなど)は腸内環境を整える効果があるので積極的に食事に取り入れていきましょう。また排便を促すには、小まめな水分補給や適度な運動も欠かせません。ママが忘れていそうなときは、「お茶を入れようか?」「少し体を動かそうよ」と声掛けをして、サポートしていきましょう。
痔
放置してしまい悪化
30代女性
妊娠中に、人生で初めていぼ痔になった。どう対処したらいいか分からず、放置したまま生活していたら悪化してしまい、痛みに絶えきれず産院で相談した。処方してもらった薬を塗ったら腫れは引いたが、出産後まで何度も痛みを伴う腫れを繰り返した。
お腹が徐々に大きくなる妊娠中は、子宮に肛門周辺の静脈が圧迫され、うっ血を起こしやすく、いぼ痔になるママも多くいます。対策としては、血流をよくすることが大切なので、体を温めるのがおすすめです。座ったままの姿勢でいるのも悪化させてしまう原因のひとつなので、パパから散歩やストレッチに誘えば、さりげないサポートとなるでしょう。また、便秘が原因で肛門の縁が裂けて切れ痔になることもあるため、先にお伝えした便秘改善のための取り組みもぜひ、心がけるようにしてください。
足がパンパンに
30代女性