海外には電流で陣痛をリアルに再現することで、男性も出産に伴う痛みを擬似体験できる装置が存在します。出産の痛みは男性には分からないものと思っていたパパはその存在に驚くと同時に、そんな激痛をわざわざ体験する必要はあるのかと疑問に思うかもしれません。だからママから出産がどれだけ大変なのかを聞いても、どこか他人事になってしまうのです。
陣痛の過酷さやそれを乗り越えた時の想いを体感すれば、パパも出産に臨むママのために、どんなサポートが必要かを考えることでしょう。今回はこの装置を実際に使用したパパの反応を、映像で確認した筆者の目を通してご紹介します。
陣痛を疑似体験できる装置が存在した
陣痛を擬似体験できる装置とは、電極をお腹に取り付け、そこに電気を流し痛みを再現するシュミレーターです。周期的な陣痛の波を再現しているだけでなく、調整で強さを10段階まで選べるので出産まで、しだいに痛みが増していく感覚がリアルに体験できます。日本ではまだ体験できる医療機関はありませんが、オランダや中国、アメリカなどでは数年前から医療機関や政府の協力のもと、この擬似体験が可能になり、多くの男性が挑んでいます。
日本でもお笑いタレントが海外ロケで擬似体験した映像が流れた際には、SNSでかなり話題となりました。
義務化すべきは言い過ぎ?男女の受け取り方の違い
この疑似体験について、女性からは男性にも出産の大変さを知ってほしいという思いから「義務化すべき」という声が意外なほど多く寄せられています。
性教育の一環で擬似体験できるようになればいいのに。どのくらい痛いか知っていれば、陣痛に耐えるママの横で、時間がかかるからとゲームを始めるパパがいなくなるよ。
義務教育にして欲しい
30代女性
義務教育に取り入れたらいいよ。子どもを産む過酷さがわかれば、親になる大変さや子どもの尊さが今より理解できるだろうから。
こうした出産に対する考えで注目すべきは、疑似体験で出産の大変さを知り、それを乗り越えることで、ママの気持ちに寄り添えるようになってほしいと願っている点にあります。出産と育児にはパートナーの協力が必要不可欠だと知ってほしいと思うママが多いようです。
とはいえ男性の体は出産の痛みに耐えられるようにはできていないと言われており、また女性と男性では痛みの感じ方も違ってきます。さらに数ヶ月前から出産にむけて準備を行い臨んでいる状況とは異なるので、この装置を使って強烈な痛みを引き起こす擬似体験では、ママが感じる痛みと違うのではという意見もあります。
男性と女性で痛みの感じ方は違う
30代男性
痛みは単純なものではないし、女性よりも男性の方が痛みを感じやすい体質。出産にむけて長期間準備してきた女性と違っていきなり理不尽な痛みに襲われるのだから、体が受けつけなくて途中でギブアップするのは仕方ない。「なんて男は弱いんだ」みたいな意見を言いたいだけなのでは?
擬似体験なので、途中でリタイアも可能ですし、いきみたくなる衝動を我慢する「いきみ逃し」を行う必要もありません。もちろん子どもが産まれる訳ではないので、感動の我が子との初対面という場面もありません。赤ちゃんの人形を抱いて擬似体験するだけです。そのため「ただ痛いだけなのに経験する意味はあるの?」という意見も男女に関わらず見受けられます。
しかしここで大切なのは、出産の大変さを夫婦で共有し、出産本番にむけて心の準備をすることではないでしょうか。出産とはどういうものかを肌感覚で知っていれば、パパの出産に対する思いは全く違うものになるはずです。
義務化すべき
20代女性