『夏野菜の魅力に迫る(ⅲ) レタス』~子どもと一緒に食を考える #40

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『夏野菜の魅力に迫る(ⅲ) レタス』~子どもと一緒に食を考える #40

Terry Naniwa

Terry Naniwa

編集・ライター稼業に従事すること30余年。 子育ては卒業も、新米パパ&ママに先人の教えや 大切な伝統を発信することをライフワークに活動中。 明治、昭和、平成と時をこえて今も息づく暮らしの知恵を 届けます。

シリーズで夏野菜の魅力をご紹介する特集の第3回は「レタス」を取り上げます。キク科アキノノゲシ属で地中海から中近東地域が原産といわれている野菜で、野生種の中から現在のレタスの基になる品種がヨーロッパで選び出され、東西に伝わっていきました。日本での栽培も意外と古く平安時代(10世紀頃)には始まっていたようです。今回は、シャキシャキのした食感が楽しい夏野菜レタスの魅力に迫ります。

日本のレタスの始まりはリーフレタス

10世紀頃に中国から伝わってきた品種は、球状の玉レタスではなく、分類上はリーフレタスに含まれるものでした。当時から食材として利用されていましたが、今のようなレタスとしてのメジャーは市民権は得ておらず、青菜の一種という認識で決して価値の高い野菜ではなかったようです。今ではサラダ菜やサニーレタスといったリーフレタスは食材としての人気も高く、特に色の濃いタイプは玉レタスよりも約10倍もβ-カロテンを含んでおり、栄養面においても注目を集めています。

一方の玉レタスは、意外と歴史は浅く日本に伝わって来たのは江戸時代末期でした。ただ、その普及は明治、大正では叶わず、戦後、1960年代を待たなければなりませんでした。

東京オリンピック(昭和39年)を境に普及が進んだ玉レタス

江戸時代末期に日本に伝わってきた玉レタス。シャキシャキとした食感が魅力で西洋風のイメージも強い野菜、文明開化に沸く明治で人気が沸騰したのかと思われがちですが、高温に弱いという弱点のため普及は進まなかったようです。大きな転機を迎えたのが昭和39年の開催された東京オリンピックでした。世界各国から集まる選手団が宿泊する選手村。その食事には、欧米ではポピュラーな野菜である玉レタスは必要不可欠な食材でした。

収穫後すぐに冷やして鮮度を保つ「真空予冷技術」の開発と、その運送を担う保冷車の普及が進み、新鮮なレタスを選手村の厨房に届けることが可能になったのです。それが一般の流通にも広がり、1960年代後半には夏野菜の主力のひとつとされるまでに普及したのです。

バランスよく含まれている栄養価

レタスは、その成分の90%強が水分で、エネルギーは100gあたり12kcalと実に低カロリーな野菜です。しかし、β-カロテンやビタミンCビタミンEといったビタミン類から、カリウムカルシウムマグネシウムなどのミネラル分、そして食物繊維までバランスよく含んでいるヘルシー野菜の代表格といえます。

またカリウムの含有量は、他の野菜ほど多くないので、カリウムの摂取量を制限されている腎臓病患者の方にも適した野菜なんです。その上、レタスに含まれる食物繊維により便通が整い、スムーズにカリウムの排泄が進むメリットもあり重宝されています。

火を通して食べるのがおすすめ

食卓では、サラダや肉料理の添え野菜として使われることが多いレタス。確かに、シャキシャキとした心地良い食感は生食でこその味わいと思われている方も多いようです。ただ、レタスは熱を加えても、あまり食感の変化はありません。ヘルシー野菜をたっぷり摂りたいと思う方には、加熱して食べることをおすすめします。

さっと炒めたり、煮たりして、かさを減らすことで無理なくたっぷりのレタスを食べることができます。また生のレタスの青臭さが苦手というお子さんには、油のコクや、スープの旨みなどを合わせることで、おいしく食べることができます。元来、生で食べれる野菜なので、さっと加熱するだけで十分です。短時間の加熱なら、水に溶けやすいカリウムの流失も防げ、レタスの栄養価をしっかり吸収することができますよ。

家族でレタスをおいしく楽しみましょう

いかがでしたか、バランスの良いヘルシー野菜レタスの魅力。これからの季節は、どうしても暑さで食欲不振に陥ることがあります。そんな時は、レタスをさっと加熱してシャキシャキとした食感を楽しみながら食べるメニューを考えてみましょう。次回に公開する「パパのお手軽レシピ」では、おすすめのレタスメニューをご紹介します。ぜひ、ご覧いただき、家族みんなで、おいしいレタス料理をたっぷり楽しんでくださいね。

【参考文献】

※『野菜~野菜の知識と美味しい食べ方』|株式会社枻出版社2016年刊

※『からだのための食材大全』| 株式会社NHK出版2018年刊

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