「夏の出世魚スズキ♫そのおいしさと魅力に迫る」~子どもと一緒に食を考える #59

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「夏の出世魚スズキ♫そのおいしさと魅力に迫る」~子どもと一緒に食を考える #59

Terry Naniwa

Terry Naniwa

編集・ライター稼業に従事すること30余年。 子育ては卒業も、新米パパ&ママに先人の教えや 大切な伝統を発信することをライフワークに活動中。 明治、昭和、平成と時をこえて今も息づく暮らしの知恵を 届けます。

成長とともに名前を変える魚は出世魚と呼ばれ、代表的なものとしては鰤(ブリ)が挙げられます。梅雨から夏、これからの時期に旬を迎える鱸(スズキ)も出世魚として知られており、冬のヒラメ・春のタイとともに人気のある白身魚です。今回は夏の食卓を彩ってくれるスズキのおいしさと魅力に迫ります。

出世魚スズキの呼び名は4回変わる

スズキは、5cm前後のヒカリゴからスタートし、20~30cmに成長するとセイゴ、40~60cmになるとフッコと呼ばれています。そして誕生から4年を過ぎ60cmを超れば、やっとスズキと呼ばれるのです。受け顎で頭が大きくスリムな体型で、中には100cm近くまで成長する大物も見受けられます。スズキという名前は、身に血合いがほとんどないことから「すすぎ洗いしたような綺麗な身」の「すすぎ」が変化し「スズキ」となったという説が有力とされています。

宍道湖七珍でもある腹太スズキ

スズキの旬は梅雨から夏場とされていますが、実は秋から初冬にかけた産卵期のスズキも絶品なんです。産卵の時期の腹太スズキは子持ちで脂がのっており、夏とは違う味わいを楽しむことができます。スズキは全国的に生息しており、一年を通して水揚げ量にほぼ変化がなく年中楽しめる白身魚です。漁獲量のトップは千葉県ですが、有名なのは島根県の宍道湖産ですね。宍道湖に産卵にくる太腹スズキは、宍道湖七珍にもなっていて、その「奉書焼き」は島根を代表する名物料理として親しまれています。

夏の食卓を彩るスズキの洗い

スズキの身は透明度の高い白身で、刺身ももちろんおいしく楽しめますが、薄造りにして氷水にさらす「洗い」は、シコシコとして夏にはもってこいの食べ方です。食欲が落ちがちになる暑い時期に、酢味噌や梅肉で味わう「スズキの洗い」をおすすめします。他にも塩焼きやソテーなどもくせのないスズキならではの品の良さが堪能できるでしょう。

おいしいスズキの選び方

おいしいスズキを選ぶうえで必ずチェックしたいのは、何と言っても「目」になります。売場で並んでいるスズキを選ぶ際は、できるだけ目が透明に澄んでいるものをチョイスしてください。加えて、エラが鮮やかな赤い色、表面が銀色に輝いており、体はふっくらして締まりが良いを選べば間違いないでしょう。切り身を購入する場合は、透明感があるものをおすすめです。

魅力一杯のスズキの栄養価

ではスズキの栄養価についてご紹介しましょう。あっさりとした白身魚で低脂肪、身が柔らかく、消化・吸収性が高い魚です。各種のビタミンがバランス良く含まれていることからも病人や高齢の方にも適しています。粘膜を丈夫にしてくれるビタミンA、糖質や脂肪の代謝に関係するビタミンB1やB2、カルシウムの吸収を助けるビタミンD、老化防止に効果的なビタミンEなどが適度に含まれています。

また、スズキは鉄分の多い魚なので。ママの貧血予防にも役立ちます。ただ鉄の吸収には、スズキに唯一含まれていないビタミンCが必要となるので、ビタミンCの豊富な野菜を添えたり、レモン汁をかけるなどで補いましょう。

夏の魚スズキを家族で楽しみましょう

夏を代表する白身魚スズキの魅力、いかがでしたか。あっさりとして食べやすい味は、パパ・ママはもちろんお子さんまで家族みんなで楽しめる魚です。いよいよ旬を迎えるスズキを、様々な食べ方で味わってみてくださいね。

【参考文献】

※『ぼうずコンニャクの日本の高級魚事典』|株式会社三賢社2022年刊

※『旬を味わう魚の事典』| 株式会社ナツメ社2008年刊

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