「夏バテ防止に有効な食材を覚えておきましょう」~子どもと一緒に食を考える #64

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「夏バテ防止に有効な食材を覚えておきましょう」~子どもと一緒に食を考える #64

Terry Naniwa

Terry Naniwa

編集・ライター稼業に従事すること30余年。 子育ては卒業も、新米パパ&ママに先人の教えや 大切な伝統を発信することをライフワークに活動中。 明治、昭和、平成と時をこえて今も息づく暮らしの知恵を 届けます。

今年も猛暑や酷暑という言葉が、毎日のように天気予報から聞こえてくる厳しい夏です。この暑さや湿気から体調を崩してしまう症状、いわゆる「夏バテ」に苦しんでいる人も少なくないことでしょう。食欲不振、疲労感、倦怠感、頭痛、めまいなど、これらは、体が暑さに適応しきれずに起こるもので、脱水や栄養不足、体温調節機能の低下が主な原因とされています。今回は、パパ・ママからお子さんまで、夏バテを防止するために有効な食材についてご紹介します。

夏バテの前兆を早期発見しましょう

夏バテは、そのの前兆を早期に察知することで、対策を講じやすくなります。まずは夏バテの典型的な前兆を知っておきましょう。まずは、体がだるく、疲れが取れない感じが続く疲労感。そして食欲が減退し、食事をとるのが億劫になる食欲不振が代表的な前兆といえるでしょう。その他にも、睡眠不足頭痛めまい消化不良などを感じた時は要注意です。こうした症状を察知すれば、早めに対策を実施することが何より大切と覚えておきましょう。

夏バテ対策の基本は5つ

夏バテ対策の基本は5つです。まずは適切な睡眠休息をとる、こまめな水分補給、無理の無い範囲で体を動かす、エアコンや扇風機を効果的に使って涼しい環境を保つ、そして栄養バランスを意識した食事になります。特に、1日3回の食事では夏バテ対策に有効な食材をしっかり摂っていくことが何より重要になります。では、その有効な食材をご紹介していきましょう。

鰻のビタミンB群、トマトのリコピン

まずは何と言ってもです。疲労回復に有効な栄養素となるビタミンB1、B2から抵抗力を高めるはたらきがあるビタミンAも豊富に含んでいます。土用の丑の日には鰻と言われるように、古くから私たち日本人の夏バテ対策の代表的な食材として重宝されています。

続いてはリコピンが豊富なトマトです。リコピンは活性酸素を消去するはたらきがあり、紫外線による肌の赤みや、色素沈着などの皮膚ダメージを予防・軽減する効果も期待できます。体内で必要以上に増えた活性酸素は私たちの正常な細胞を攻撃し、疲れや不調の原因となります。リコピンを積極的に摂取することで、不要な活性酸素が取り除かれ夏バテ予防にも繋がるのです。

あっさりした素麺、酸っぱい梅干し

人のエネルギー補給には炭水化物が欠かせません。猛暑の中で、冷たくてあっさりした素麺は、誰もが食べやすく炭水化物の摂取に最適な食材です。薬味に生姜や葱を加えることで、食欲増進にも繋がります。夏休みのお昼ごはんに家族皆でで楽しむのも良いですね。

梅干しの酸っぱさの基となる成分のクエン酸も疲労回復に有効な栄養素のひとつです。加えて抗酸化作用による美肌効果、血液をサラサラにして血行を良くする血流改善効果、胃もたれなどの消化不良を改善する消化の促進なども期待できます。ママもパパも積極的に食べてほしい食材です。

清熱効果がある胡瓜と西瓜

清熱効果が期待できる食材の代表格が胡瓜と西瓜です。どちらも水分が豊富なので、体に溜まった余分な熱を取り除きながら、水分の補給も出来るという嬉しい食材です。そしてカリウムという成分にも注目です。この成分は体内の細胞内液に含まれていて、ナトリウムとともに、体内の水分を調整し、細胞内の浸透圧を正常に保つ働きがあります。

ナトリウム(塩分)が多くなり過ぎると、体内の塩分濃度を下げるため細胞は水分を余分に取り込み、体がむくんでしまいます。カリウムをしっかり摂っていれば、その働きで余分なナトリウムを体外へ排出してくれます。ママをはじめ女性に嬉しい効能「むくみの解消」に大いに役立つ食材なんです。この働きから高血圧の予防や改善にも効果があるともいわれています。

夏バテ効果の高い食材を効率良く食べましょう

鰻・トマト・素麺・梅干し・胡瓜・西瓜と6つの食材をご紹介してきましたが、いかがでしょうか。どの食材も家族皆で楽しめるものですから、この夏は積極的に取り入れて、夏バテ対策を図りましょう。ぜひ、「家族の健康は食事から」を実践してくださいね。

【参考文献】

※『からだのための食材大全』|株式会社NHK出版2016年刊

※『くらしに役立つ栄養学』|ナツメ社2021年刊

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