離乳食の栄養バランス
次は離乳食の栄養面でのポイントです。栄養バランスと言っても難しく考える必要はありません。基本は栄養源の3つのグループの中から1つずつ食材を選び、組み合わせれば大丈夫。また1食で全ての栄養を補わなくても、2~3日の間の食事全体でそれぞれの栄養源の食材を食べるように調節すれば、栄養バランスは維持できます。例えば豆腐入りのおかゆを食べさせたなら、次は野菜を使ったメニューにするといった調子で、順番に食事に取り入れていきましょう。
エネルギー源食品
ごはん、パン、いも、めん類
ビタミン•ミネラル源食品
野菜、果物、きのこ、海藻
たんぱく質源食品
乳製品、卵、肉、魚、大豆製品
離乳食の基本ルールは4つ
離乳食を作るのは料理の得意なママが担当というご家庭や、市販の手軽なベビーフードを活用しているという場合だと、パパが離乳食を作る機会はないかもしれませんね。ですが離乳食はどういった点に注意して作られているのかを知っていないと、与えてはいけない食べ物も分からなくなります。離乳食で注意すべき基本ルールを理解して、食べられる食材や食べられない食材、与えても大丈夫な量を判断できるようになっておきましょう。
1. 食材は加熱して殺菌する
まだ抵抗力の低い赤ちゃんが細菌に感染しないように、食べさせる物は加熱殺菌してから与えます。除菌した調理器具を使っていても、調理する過程で細菌が入り込んでしまう可能性があるため油断は禁物です。りんごのような生で食べられる果物でも、すり下ろしたあとに電子レンジで一度加熱してから与えるようにしましょう。豆腐は湯通ししてから食べさせ、作り置きして冷蔵•冷凍していた物は、電子レンジで熱々に加熱してから食べさせる方が安心です。
2. 離乳食初期は味つけ•油は不要!
生後6ヶ月の赤ちゃんの肝臓の機能は、大人の半分程度。余分な塩分などを体の外に捨てる機能が未熟なため、多過ぎる塩分は赤ちゃんの体の負担となります。ですから離乳食初期は味つけせず、離乳食中期でも砂糖、塩、醤油、みそなどをいれる場合はほんのひとつまみ以内にします。また1歳を過ぎた頃は大人の食事の2~3倍に薄めたくらいの塩分量が望ましいでしょう。油脂分の摂取は離乳食を初めて1ヶ月が経った頃に、バター、オリーブ油をごく少量からはじめます。
3. たんぱく質源食品は量と順番を守る
たんぱく質は成長に欠かせない栄養素ですが、赤ちゃんの体では必要以上の量を消化するのは、まだ苦手です。さらに脂肪を消化することも負担が大きくなるので、たんぱく質と脂肪を多く含む肉や乳製品は離乳食初期には与えないことが大切です。脂肪の少ない豆腐や白身魚(真鯛、塩抜きしたしらす)などを1さじから様子をみて、ゆっくりと与えていきましょう。
4. 要注意!赤ちゃんに与えてはいけない食材
赤ちゃんが食事に慣れてくると、大人が食べている物を欲しがるようになります。可愛い赤ちゃんがパパの持っている食べ物が欲しくて泣いていると、ついつい食べさせてあげたくなりますが、その油断が大きなトラブルに発展することもあるので油断してはいけません。次の6種類の食材には特に注意して、赤ちゃんがしっかりと成長するまでは与えないようにしましょう。
- はちみつ
まれにボツリヌス菌という細菌が入り込んでいる場合があります。大人は大丈夫でも、抵抗力の弱い赤ちゃんはこの菌で細菌感染を起こしてしまう危険があります。またボツリヌス菌は加熱してもなかなか消滅しないため、与えないように注意してください。
- もち、こんにゃくゼリー
喉に詰まらせる危険があります。しっかりと噛めるようになるまでは与えないようにしましょう。
- そば
食物アレルギーが心配なので、与えるのは1歳を過ぎてからにしましょう。
- かまぼこ、ちくわ、ハム、ソーセージ
塩分が多く、弾力もありかみにくいので、赤ちゃんの食事には向いていません。
- 刺し身、生卵
なまものは食中毒の危険があるので避けましょう。与える場合はよく加熱してください。
- チョコレート、スナック菓子、アイスクリームなどのお菓子
赤ちゃんの体に負担となる過剰な糖分や油脂を含むため、1歳半以降の幼児食を始めた頃から与えるようにしましょう。