フレックスタイム制のデメリット
フレックスタイム制のデメリットは、主にに2点です。自己管理をしなければならない点と、急な社内・顧客対応が難しい点です。それぞれ詳しく解説します。
自己管理をしなければならない
勤務時間を自由に決められるため、自己管理が苦手な人には向きません。限られた時間の中で、どうすれば仕事を完了できるか考えて、実行していく力が問われます。
自分一人だけの問題ではありません。チームのメンバーや、上長、取引先とのコミュニケーションも大切です。一緒に過ごす時間が限られるからこそ、もっとも効果的なコミュニケーション方法をとっていく必要があります。
家庭においても同様です。ママや家族とうまく連携をとりながらテキパキと進めないと、仕事との切り分けが難しくなり、どちらも身が入らなくなるでしょう。モチベーションの低下にもつながってしまいます。
急な社内・顧客対応が難しい
急な打ち合わせや会議、電話に対応が難しくなります。一般的に、営業部門や窓口業務など、取引先や顧客との接触が求められる仕事に、フレックスタイム制は不向きだといわれています。
これらの職種でフレックスタイム制を利用したい人は、急な要件がある場合でも、対応できるような仕組みづくりが必要です。スケジュールを調整する場合でも、勤務時間の制約が難点となるでしょう。
一方的で、向いているのはエンジニアやコーダー、編集者、開発者、クリエイターなどの技術職です。対面ではなく、メール、チャットツールなど、いわゆる非同期型コミュニケーションを駆使することで、時間を選ばない働き方ができます。
リスクを軽減するための工夫
デメリットについては個人差がありますが、この2点をデメリットとして感じてしまう方は、リスクの軽減を図るよう工夫が必要です。具体的には、以下のような方法があります。
- タスク管理ツール、アプリの導入して、スケジュール管理やタスク漏れのチェックをします。TrelloやBacklog、Redmineなどのツールが代表的です。
- 不在の場合の業務マニュアルや顧客対応マニュアルを用意することで、急なお問い合わせに対応ができます。COCOMITEやNotePMなどのツールで、簡単にマニュアルは作成可能です。また、日々の業務でチームメンバーや上長に報連相をして、急用があっても臨時対応をしてもらえるようになります。口頭でコミュニケーションをするだけではなく、チャットツールやメールを使って、いつでも情報を確認できるようにしておくと丁寧です。
このような対策をして、せっかくのフレックスタイム制の価値をメリットとして受け取れるようにしていきましょう。
フレックスタイム制の活用事例
フレックスタイム制の事例で、パパが活用したケースを紹介します。
「育休明け、妻も働きながら共働きで子育てをしたいということで、私はフレックスタイム制、妻は時短勤務で、働くようになりました。一番良かったのは、一日のスケジュールで時間ごとに役割分担ができるようになったことで。お互いの空き時間をうまく使い分けて、育児と家事が滞りなくいきました」(33歳・メーカー勤務・経理部門)
「次女が産まれてから、フレックスタイム制を利用するようになりました。長男が幼稚園に通い始めるタイミングと重なって、毎朝の身支度や送迎を自分が担当しました。妻には次女を見てもらって、お互いの負担の減らすことができました。通勤の電車も空いていて、体力的にも無理はありませんでした」(29歳・商社勤務・マーケティング部門)
フレックスタイム制をうまく活用する発想が大切
フレックスタイム制は、パパにとってもメリットの大きい制度です。しかし、自己管理が苦手な人や、急な社内・顧客対応をしなければならない仕事には難しいかもしれません。いずれにしても、フレックスタイム制を活用しても、仕事量が減るわけではなく、家事・育児の量が減るわけでもありません。
大切なのは、いかに制度をうまく活用して、仕事と子育てを円滑にしていくかという発想です。実例を参考にしながら、パパとして実践してみてください。次回以降、フレックスタイム制を導入している企業の事例などを紹介していきます。