「サクランボの季節です♫その栄養を徹底解剖」~子どもと一緒に食を考える #59

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「サクランボの季節です♫その栄養を徹底解剖」~子どもと一緒に食を考える #59

Terry Naniwa

Terry Naniwa

編集・ライター稼業に従事すること30余年。 子育ては卒業も、新米パパ&ママに先人の教えや 大切な伝統を発信することをライフワークに活動中。 明治、昭和、平成と時をこえて今も息づく暮らしの知恵を 届けます。

サクランボの季節が近づいてきました。佐藤錦、高砂、ナオポレオンなどがお馴染みの品種で、どれもが甘くておいしく高い人気を誇っています。5月下旬から6月にかけて旬を迎えるスイーツの代表格でもあるこのフルーツはおいしさだけでなく、素晴らしい栄養素も豊富に持っています。そこで今回は、サクランボの栄養に迫ります。

日本のサクランボの歴史は明治初期から

日本でのサクランボ栽培は1868年(明治元年)にドイツ人が北海道・函館に導入したのが始まりといわれています。その後、1872年にヨーロッパからナポレオンの原種が、米国からは高砂の原種が持ち込まれ本格的な育成がスタートしました。当初は生食よりも加工用中心に全国に栽培が拡がっていきました。その中で、自然条件・立地条件に恵まれた山形県エリアが主流を占めるようになりサクランボ王国と呼ばれる礎を築いていきました。

そして、1928年(昭和3年)に佐藤栄助が生みだした生食用が日本のサクランボを牽引する品種となりました。「砂糖のように甘い」という意味と育成者の名前を合わせて佐藤錦と名付けられました。1978年(昭和53年)にサクランボが自由化になり、海外から安価なアメリカンチェリーが輸入されると各産地は大きな打撃を受けましたが、佐藤錦を中心に生食用を主力に切り替えて国産サクランボの維持・振興を図ってきたのです。

サクランボの素敵な栄養①(カリウム、鉄分)

ではサクランボが持つ素敵な栄養素をご紹介しましょう。まずはカリウム。この成分は塩分(ナトリウム)の排出を促すはたらきがあり、むくみが気になるママやパパに意識して摂ってほしい栄養素です。塩分の多い食品をとると、体の塩分濃度を下げるために水分を溜め込み、それがむくみの原因になってしまいます。サクランボを効果的に食べて、むくみ予防に役立てましょう。

続いては鉄分です。赤血球を作るために欠かせない鉄分には、肉や魚に含まれるヘム鉄と、野菜に含まれる非ヘム鉄があります。どちらもバランス良く摂取することが望ましいのですが、非ヘム鉄はヘム鉄に比べて体内に吸収されにく性質を持っています。それを補うのがビタミンCで、同時に摂ることで吸収されやすくなります。サクランボは非ヘム鉄だけでなく、ビタミンCも多く含んでいるので効率良く鉄分が吸収できる食材といえるのです。

サクランボの素敵な栄養②(ビタミンA、ビタミンC)

三番目はビタミンA。このビタミンは肌や粘膜の健康を維持するはたらきがあります。鼻やのどなどの粘膜を活性化させ、細菌を侵入しづらくしてくれます。また、暗いところでも目が慣れて見える機能にも関わっているので、視覚を維持するために必要な栄養素です。目の健康にもサクランボは役立つことも覚えておきましょう。

そしてビタミンC。鉄分の吸収を助けるはたらきに加え、コラーゲンを作るために欠かせない栄養素で、皮膚の健康を維持するはたらきをもつことから、美容ビタミンとも称されます。ママの美容と健康にサクランボは大切なフルーツといえるでしょう。

虫歯予防や便秘解消にもサクランボは有効?

最近の研究で、サクランボには虫歯予防や便秘解消にも効果があることが分かってきました。ソルビトールという成分は虫歯を防ぐ働きがあり、サクランボはフルーツの中でもその含有量が多いことが分かっています。また、この成分は便を軟らかくし排便を促進してくれる効果も兼ね備えています。おいしいだけでなく、私たちの身体を守り整えてくれる栄養素を数多く含んでいるサクランボ、まさに「赤い宝石」と呼ばれるように価値の高いフルーツなんですね。

家族でサクランボを楽しみましょう

おいしさだけでなく、健康にも大いに役立つサクランボの栄養素の数々、いかがでしたか。佐藤錦の露地物などは、確かに高級フルーツとして値段は高額になりますが、その価値は十分にあることが分かります。ぜひ、ママ・パパの自分へのご褒美や家族への感謝として、旬のサクランボを今シーズン、一度は食べてみてくださいね。

【参考文献】

※『育てて楽しむサクランボ』|株式会社創森社2018年刊

※『フルーツひとつばなし』| 株式会社講談社2013年刊

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