妊娠初期のママには目に見える変化はまだありませんが、身体の中では赤ちゃんを育てるために急激な変化が始まっています。とくに妊娠に気づくタイミングでもある4~9週の間は、つわりが始まる影響でママは心身ともに不安定になりやすく、体調を崩してしまうときもあるでしょう。パパと同じで、ママだって初めての妊娠は分からないことばかりです。身体の変化に驚き、怖くなってしまうときもある妊娠初期だからこそ、パパもママの身体の変化について理解を深めておくと、ママが困ったときに適切な対応ができるでしょう。
パパのためのマタニティセミナー第5回では、妊娠初期のママの体の変化や危険な症状、ママがつわりで苦しんでいるときにパパができることなどをお伝えします。
妊娠4~9週のママの身体に起きる変化
妊娠4週とは前回の月経から数えて28日経過したころを指します。月経の周期が安定しているママなら、この前後が次の月経予定日になると予測できますが、予定日から1週間経っても月経が始まらなければ妊娠を予感し、検査薬を使用するころでしょう。このように、まず妊娠初期のママの身体に起きる明確な変化は月経が止まることです。その他にもママの体には次のような変化が表れる可能性があります。
ママの体に起きる変化
- 月経と間違えるような少量の出血がある
- つわりが始まる
- トイレが近くなる、便秘になる
- 乳房が張ってきて、乳頭が敏感になる
- 体が熱っぽくなる
妊娠4週ごろに起きる月経初日のような少量の出血は、受精卵が子宮内膜に着床したときに出る着床出血です。ただ、流産による出血の可能性もあるため、ママから出血があったと相談されたら、産院を受診するよう促しましょう。
つわりには個人差があり、早いママなら妊娠に気づくよりも先に、つわりが始まる場合もあります。また、ママの体の中では妊娠の影響で、女性ホルモンの一種であるプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が増加しています。このホルモンは子宮内膜を厚く保ち、乳腺を発達させ、体温を上昇させる働きがあるため、つわりと出血以外の上に記した症状も表れる可能性があると覚えておきましょう。
妊娠4~9週のママお腹に見た目の変化はない
お腹の見た目の大きさに変化がなくても、ママの子宮は赤ちゃんを育てる準備を始め、通常時よりもひと回り大きくなっています。そして子宮の中では、赤ちゃんも成長を始めています。
とくに妊娠4~7週のあたりは、赤ちゃんの脳や脊髄、目や耳の神経など体の原型になる器官が猛スピードで作られていく時期です。妊娠7週ごろの赤ちゃんは、まだ1円玉の直径にも満たないほどの小さなサイズですが、すでに頭部と胴の区別がついてきて2等身くらいになり、手足もなんとなく分かるほどに成長しています。さらに妊娠9週ごろには、超音波検査で頭の中に黒い影が表れ、脳が形成されていることも見て分かるようになりますよ。
妊娠初期にママが悩まされるつわりとは
つわりは妊娠期のママに訪れる最初の試練です。つわりの原因は諸説ありますが、妊娠初期の体の中では、受精卵が子宮内膜に着床したことで、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)などのホルモンの分泌が増加します。この急激なホルモンバランスの変化により、ママの自律神経が乱れ、つわりを引き起こすと考えられています。つわりは多くの場合、妊娠4~15週ごろにその不快な症状に悩まされ、16週ごろには落ち着くのが一般的で、とくに妊娠8~9週ごろがつわりのピークに当たります。
つわりの主な症状
つわりの症状
- 吐き気•嘔吐
- 眠気•だるさ
- 臭いに敏感
- 頭痛
- 食べていないと気持ち悪い
etc
つわりの症状はママによって実にさまざまです。上に記載した症状以外にも、めまいや便秘、唾液の量が増えたなど、時期だけでなく症状の表れ方にも個人差があります。また、その症状の重さにも違いがあり、ママによってはまったく症状を感じなかった方もいれば、出産まで続く方もいます。つわりの症状は人それぞれなので、パパはママと他の妊婦さんを比べることのないよう気をつけてくださいね。
危険なつわり、妊娠悪阻に要注意
もしママの症状が酷く、水も飲めないくらいつわりに苦しんでいたのなら、「病気ではないから」と放置してはいけません。命に関わる深刻な症状ですから、早急に治療が必要です。次の症状にひとつでも当てはまる場合は、急いでママを産院へ連れて行ってください。
- 空腹や満喫を問わず吐き気が続き、食べ物も水も口にできない
- めまいや頭痛で起きているとフラフラする
- 数日の間に5%以上も体重が減少
- 吐いたものに胆汁や血液が混じっている
- トイレに行っても尿が少ない、または出ない
- 日常生活が送れない