「食卓の人気モノ♫えのきたけの魅力に迫る」~子どもと一緒に食を考える #68

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「食卓の人気モノ♫えのきたけの魅力に迫る」~子どもと一緒に食を考える #68

Terry Naniwa

Terry Naniwa

編集・ライター稼業に従事すること30余年。 子育ては卒業も、新米パパ&ママに先人の教えや 大切な伝統を発信することをライフワークに活動中。 明治、昭和、平成と時をこえて今も息づく暮らしの知恵を 届けます。

松茸をはじめ、椎茸、エリンギ、舞茸など様々なきのこが売場を彩る時期になりました。その中でも、年中、市場に出回っている「えのきたけ」は使い勝手が良く、食卓の人気モノです。低カロリーな食材としては知られていますが、その反面、栄養はあまり無いのではと思っている方も多いようです。そこで今回は、えのきたけが持つ素晴らしい栄養とその魅力についてご紹介します。

食物繊維やカリウムが特に豊富

えのきたけが持つ素晴らしい栄養素の代表格のひとつが食物繊維です。その中のβ-グルカンは免疫機能にかかわる細胞や物質を活性化させ、免疫力を高めるはたらきがあります。また、えのきだけ100gあたりには不溶性食物繊維が3.5g含まれています。不溶性食物繊維は便のかさ増しにより腸のはたらきを促すため、便秘対策にも効果が期待できます。

そして塩分の摂り過ぎを調整してくれるカリウムも豊富に含んでいます。この成分はミネラルの一種で、塩分(ナトリウム)と相互作用し細胞の浸透圧を維持するはたらきがあり、塩分過多の際は、ナトリウムの排出を促す効果があります。えのきだけ100gあたりに含まれるカリウムは340mgです。

リラックス効果やストレス緩和に役立つGABAも

GABA(ギャバ)は副交感神経を活発化させる神経伝達物質のひとつで、きのこ類の中ではえのきたけが一番豊富に含んでいます。リラックス効果やストレス緩和には副交感神経のはたらきが重要となるので、GABAを多く含んでいるえのきたけは、心のやすらぎに役立つ食材ともいえるのです。またこの物質は高めの血圧を正常の値に戻すはたらきもあるので、家族みんなの健康におすすめなんです。

えのきたけは洗って食べるの?

えのきたけは、洗わずにそのまま食べられます。一般的に市販されているものは、徹底的に衛生管理された環境で人工的に栽培され、出荷の際は衛生的な袋に詰めて流通しています。ですから外気に触れることなくバイ菌や汚れがつく心配がないのです。

農薬についても、日本で栽培されているえのきに関しては厳しく管理されているので心配ありません。気になる方は独自の審査基準をクリアした「国産安心きのこ認証マーク」のついたものや、産地や業者がはっきりしているえのきを選ぶと安心ですよ。

えのきの栄養を効率良く摂る調理方法は?

豊富な栄養があるえのきたけは先にご紹介したように洗わずに食べれる衛生的な食材ですが、生のまま食べるとフラムトキシンという成分により中毒を起こすおそれがあるため、必ず、充分な加熱が必要なことをしっかり覚えておきましょう。

ただカリウムをはじめ水溶性の栄養素が多いため、茹でたり焼いたりすると水に流出してしまうデメリットがあります。ですから、汁ごと食べられる調理法のみそ汁や煮物がおすすめです。瓶詰で売られている「なめたけ」もしっかり栄養素を保っていますが、調味料で味つけされているため、カロリーや糖質量、塩分が高くなる点に注意が必要です。

おすすめレシピ「えのきたけのパリパリチーズ」をお楽しみに

えのきたけの素敵な魅力の数々、いかがでしたか。唯一、気をつけて欲しいのは調理の際に、水溶性の栄養素を逃さないことです。そこで、次週に公開します「ママと乾杯・パパのアイデアおつまみ」では、えのきたけの豊富な栄養素を余すことなく摂れるおいしいレシピをご紹介する予定です。ぜひご覧くださいね。

【参考文献】

※『からだのための食材大全』|株式会社NHK出版2016年刊

※『くらしに役立つ栄養学』|ナツメ社2021年刊

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