卒乳するメリット
母乳やミルクを欲しがって泣いている子どもを見ると、すごく悪いことをしているような気持ちになってしまい、卒乳への決意が揺らぎそうになりますよね。でも卒乳する事は、子どもにとっても「もう赤ちゃんではない」という自身の成長を実感できるので、決して悪いことばかりではありません。それでは、パパ•ママと子どもにとって、卒乳にはどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。
子どもが夜ぐっすり寝るようになる
夜泣きの理由はいろいろありますが、授乳しながら寝かせる習慣があると、夜泣きをする確率が高くなります。これは夜中に眠りが浅くなったとき、安心できるおっぱいや哺乳瓶が近くにないことで子どもが不安になってしまうためです。また、子どもはおっぱいや哺乳瓶以外で寝る方法をまだ知らないため、ないと寝れなくて泣いてしまいます。だからこそ卒乳すると母乳やミルクがなくても寝る方法を身につけるので、夜ぐっすり寝るようになります。
ママの負担が減る
母乳育児をしているママは、妊娠したころからずっと、食べるものにも気をつかう生活が続いています。カフェイン、お酒、母乳の味が落ちると言われている食品などを避ける生活が長くなれば、早く解放されたくて卒乳を望む場合もあるでしょう。また、外出先では授乳室を探してさまよう心配もなくなくなります。ミルクで育児をしている場合も、哺乳瓶やお湯などの重たい荷物を持ち歩かなくても良くなるという利点があります。
食事や水分をしっかり摂取するようになる
母乳やミルクをたくさん飲んでいると、そのぶんお腹が満たされてしまうため食への興味が湧かず、あまり離乳食や幼児食を食べない原因になってしまいます。そのため、卒乳を目指して飲む量を減らしていけば、自然とお腹がすくようになり、食事へ関心を向けるようになります。また水分を母乳やミルクから補給できなくなれば、お茶や白湯もしっかりと飲むようになるので、コップの飲みの練習もはかどるでしょう。
虫歯のリスクが減る
2歳以降も母乳やミルクを飲み続けている子どもは、卒乳した子どもよりも虫歯になる確率が高いという研究報告があります。対して母乳に含まれる糖は虫歯の原因になりにくい種類だという報告もあるため、虫歯の直接的な原因にはならないことも分かっています。しかし、離乳食を食べた後に歯磨きをせずにそのまま授乳して寝かしつけてしまうと、子どもの虫歯になるリスクが高まってしまうのです。毎日しっかりと歯磨きをすれば心配いりませんが、虫歯のリスクを避けるという意味では、奥歯が生えてくる1歳6ヶ月までには卒乳するのが望ましいでしょう。
卒乳のデメリットは工夫次第で減らせる
卒乳においてのデメリットは、次の3つです。
- 授乳中のスキンシップがなくなる
- ママが乳腺炎になる
- 卒乳した反動でそれを補う癖が表れる
子どもが1歳をすぎる頃には、母乳とミルクのどちらも、栄養を摂取するという意味合いは薄れ、親子のスキンシップや寝かしつけの役割に変化しています。スキンシップをする方法は授乳以外にもいくつかあり、必ずしも母乳やミルクに頼る必要はないので、パパ•ママと子どもが他の方法でスキンシップをすれば解決できます。母乳を出す機会がなくなったママは乳腺炎になる恐れがありますが、パパが子どもの気を引いているうちに、子どもに隠れて腫れる前に搾乳すれば予防できます。そういった意味でも、卒乳にはパパの協力が必要なのです。
卒乳した反動で指しゃぶりや、特定のものをさわり続けてしまう癖が始まるのは、子どもが母乳やミルク以外のもので安心したいと思っている欲求の表れです。無理にやめさせる必要はありませんがどうしても気になるなら、他に安心できるような工夫を取り入れて、子どもの気をそらすこともできます。指しゃぶりをするのであれば「手を握ぎりながら絵本を読む」など、子どもの意識を絵本へ移し、手を繋いでも安心できるということを教えましょう。