幼児食の食べ進め方
幼児食に切り替えてからは、大人と同じ調理方法で子どものご飯を作れるようにはなりますが、子どもの体はまだ発達途上です。そのため幼児食では大人の食事に近づけていく前段階として、大人の食事から取り分けて、子ども用に硬さや形状、味を調節する工夫が必要となります。1歳6ヶ月~5歳までの幼児食では、とくに次の3つのことに気をつけて食事を用意しましょう。
子どもがそしゃくできる硬さ•形状にする
子どもの奥歯は1歳6ヶ月ごろには生え初め、2歳代でほとんどの乳歯がそろうといわれていますが、歯の生え方には個人差があります。上下の歯が生えそろって初めて本格的なそしゃくできるようになるので、奥歯がある程度そろう3歳ごろまでは顎の力が弱いことを考慮した硬さの食事を与えることが大切です。
煮物やシチュー、ミートボール、魚のムニエルなどの柔らかく調理したものなら子ども食べやすいので、大人の分と一緒に作り、子ども用を薄味にすれば与えることができます。海藻やきのこのような歯応え•弾力がある食材はよく刻んで、子どもが噛みやすいように工夫すると幼児食前半の子どもでも食べられます。幼児食後半では大学いものような食材を大きくカットしたものや、切り干し大根のような歯応えがあるもの、鶏肉のかたまりなどにも挑戦して、少しづつ大人の食事の硬さに近づけていきましょう。
味つけは大人と分けて、子ども用は薄味にする
幼児食の時期は、一生続く食生活の基礎がつくられる大切な時期。この時期に甘みや塩分の強い食事ばかりしていると、味覚が正常に育たない原因になってしまいます。また、そしゃく力や胃腸だけでなく、肝臓や腎臓の機能も含めると、大人と同じレベルの味つけの食事ができるようになるのは8歳になってからなので、少なくとも幼児食の間は薄味の食事を中心に与える必要があります。
もし子どもがパパの食べている物を欲しがったら、与える前にタレや衣を取り除いてから与えるように工夫してみましょう。素材本来の美味しさを大切にして、ケチャップやソース、マヨネーズなどはかけ過ぎないように気をつけてください。
遠ざけておきたいファストフード
子どもの大好物であるハンバーガーにフライドチキン、ドーナツなどのファストフードはカロリーが高いだけでなく、塩分、脂肪分が多く含まれているので幼児には適さない食べ物です。とはいえ、どれだけパパ•ママが子どものために日頃我慢していても、1歳6ヶ月から5歳までの幼児食の間に友達付き合いや頂き物などで、どうしても避けられない場合もあるでしょう。
そのようなときに大切なのは、ファストフードを食べる前後の食事で足りない栄養を補い、取り過ぎた栄養は控える工夫です。刺激の強いファストフードを与えてもいいのか不安に思うかもしれもしれませんが、頻繁に食べるのではなく、たまに食べるくらいなら味覚の発達などに悪影響を及ぼすことはないので、月に1•2回の利用なら大丈夫です。ファストフードを食べる機会は特別な場合だけと決めておき、毎日の基本は遠ざけた生活を心がけていれば、子どもの健全な食育へとつながりますよ。
家族で食卓を囲み、食事の楽しさを伝える
幼児食では子どももパパ•ママと同じ見た目の食事が食べられるようになり、いままで以上に食事の楽しさを知る機会が増えます。食事の楽しさはおいしいものを食べるだけでなく、食事を通して家族でコミュニケーションを楽しむことでも伝わります。だからこそ「おいしいね」と笑顔で食卓を囲み食事を楽しめば、子どもの感情の豊かさが育まれます。加えて大人が食べている姿を見せるのは、正しい食事のマナーを教える第一歩です。良いお手本になれるようにパパ•ママも食べているときのマナーに気をつけてくださいね。