『椎茸の魅力と栄養について学びましょう』~子どもと一緒に食を考える #92

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『椎茸の魅力と栄養について学びましょう』~子どもと一緒に食を考える #92

Terry Naniwa

Terry Naniwa

編集・ライター稼業に従事すること30余年。 子育ては卒業も、新米パパ&ママに先人の教えや 大切な伝統を発信することをライフワークに活動中。 明治、昭和、平成と時をこえて今も息づく暮らしの知恵を 届けます。

炒め物や煮物からお鍋まで、旨みがあってさまざまな料理で活躍してくれる椎茸。菌床栽培のおかげで年中、食卓に登場してきますが、元々の旬は、ちょうど今の時期になります。低カロリーでダイエットにも適している食材ですが、実は栄養も満点なんです。そこで今回は、椎茸の栄養と魅力をご紹介。しっかり学んで、豊富な栄養を無駄なくおいしく食べてくださいね。

椎茸が持つ豊富な栄養

では椎茸が持つ豊富な栄養をご紹介していきましょう。まずは、腸からのカルシウムの吸収を助け骨や歯を丈夫にするのに役立つビタミンDです。加えてエルゴステロールも含んでおり、この成分は日光を浴びるとビタミンDに変化する性質があります。そのためビタミンDをより多く摂りたい場合は、干し椎茸がおすすめと覚えておきましょう。

続いてはカリウム。この成分は体内で浸透圧を調整したり、神経の伝達や筋肉の収縮に関わったりします。そしてナトリウムを体の外に出し易くするはたらきがあるので、塩分を摂り過ぎたときの調整やむくみ対策としても役立ちます。

そして食物繊維で、こちらは「水溶性」と「不溶性」の2種類がありますが、椎茸には不溶性食物繊維が多く含まれます。この成分は水分を吸って膨らみ、腸の運動を活発にするはたらきがあり、便通対策にも効果が期待できるので、ママの嬉しい味方になってくれますよ。

三大旨味成分も持っている椎茸

まだまだ椎茸には素敵な栄養が含まれています。次は椎茸特有の栄養であるエリタデニン。こちらは血圧を正常に維持するはたらきに加え、悪玉コレステロール値を下げ、善玉コレステロール値を高める効果があります。血中コレステロール値が気になっているパパにも嬉しい成分を椎茸は持ってくれているのです。

さらに、赤血球を作り出し、たんぱく質の合成を促してくれる葉酸も豊富に含んでいます。ただこの成分は水溶性のビタミンのため調理中に流れ出してしまう恐れがあります。葉酸をしっかり摂取したい場合は、汁物やスープなど、流れ出た栄養素も丸ごと食べられる調理法がおすすめです。

料理好きのパパにしっかり覚えておいてほしい成分がグアニル酸です。三大旨味成分のひとつで干し椎茸により多く含まれます。旨味成分は複数を組み合わせることでより強い旨味を感じられ、減塩にも役立ちます。グルタミン酸を多く含む昆布やトマト、イノシン酸を多く含む鰹節や煮干しを、干ししいたけと組み合わせるのがポイントです。そう、おいしい出汁には、昆布と鰹節、そして干し椎茸!この鉄板の組み合わせこそ、三大旨味成分の集大成になんです。

干し椎茸と生の椎茸、適材適所の使い分けを

売り場で生の椎茸と干し椎茸、どちらが良いのかと気になる方もいることでしょう。答えは簡単で、適材適所で使い分けがおすすめです。料理のカサ増しや、椎茸自体の肉厚な食感を楽しむ料理には生の椎茸を選びましょう。先にご紹介した旨味成分をしっかりと引き出し、料理の味に引き立てたり、風味を味わうには干し椎茸がおすすめです。ただ乾燥させるだけで、料理の用途の幅が大きく広がるという点も椎茸の魅力のひとつと覚えておいてくださいね。

ダイエット中のママにも椎茸が強い味方に

先にご紹介したように、椎茸は不溶性食物繊維を豊富に含んでいるので、腸内環境を整えるだけでなく食後血糖値の上昇をゆるやかにしたり、脂質の排出を助けたりするはたらきがあります。そしてカロリーも生しいたけ1個で約4kcal、糖質量は約0.3g程と低カロリーで低糖質と、まさにママのダイエットの強い味方となってくれます。旨味を感じたい時は干し椎茸を、食べ応えを楽しみたい時は生の椎茸をと、その時の気分に合わせて使い分けれるのも魅力です。ぜひ椎茸を上手に活用してダイエットの成功を目指しましょう。

家族みんなで椎茸をおいしく楽しみましょう

ビタミンDや不溶性食物繊維、カリウムといった積極的にとりたい栄養を豊富に含んでいる椎茸は、まさに今が旬。干し椎茸の旨味成分を料理に存分に活かしたり、油で調理したり汁ごと食べたりすることで栄養を無駄なく摂取するなどで、家族みんなで椎茸をおいしく楽しんでくださいね。

【参考文献】
※『たべもの起源事典』|株式会社東京堂出版2003年刊
※『からだのための食材大全』|株式会社NHK出版2016年刊

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