妊娠16~27週にパパにも気をつけて欲しいこと
つわりが落ち着いて体調が回復してくると、ママはセーブしていた生活を元に戻そうとする傾向があります。しかし、お腹が大きくなる影響でさまざまなトラブルが表れてくるので、油断は禁物です。そんな妊娠中期に、ママと一緒にパパにも気をつけて欲しいことを3つ紹介します。
ママの急激な体重増加に注意
パパのためのマタニティセミナー#6でもお話ししましたが、ママはつわりが落ち着いてくると、今度は食欲が増える傾向にあります。加えてママの身体は赤ちゃんに栄養を与えるだけでなく、出産、産後の授乳のためにたくさんのエネルギーが必要になることから、脂肪を溜め込みやすくなっています。しかし、太りすぎてしますと妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病のリスクも高まるので、妊娠中は緩やかな体重増加を意識した生活を送る必要があります。
体重のコントロールは、ママの安産と、赤ちゃんの健康のためにとても重要なことです。2週間に1kgの体重の増加くらいが良好の目安となります。とくにつわりが落ち着いてくるこの時期は、食べ過ぎてしまわないように、1日の食事量を把握し調整していくことが大切になります。パパも一緒に管理することで、二人で食べ過ぎを予防していけるといいですね。そして、夫婦の食事をヘルシーなものへと切り替えていくのがおすすめです。
また、妊娠中期に入り体調が安定しているのであれば、軽い運動ならできるようになります。適度な運動は太り過ぎの予防だけでなく、冷えやむくみ対策、気分転換にもなり、メリットが豊富です。手軽にできる有酸素運動がおすすめで、ウォーキングやマタニティヨガ、マタニティスイミングといったものであれば、妊娠中の身体への負担も少ないでしょう。
赤ちゃんが産まれたらそのお世話で忙しくなるため、今後はママだけでなく、パパ自身の健康管理も大切になってきます。運動不足が身体によくないのはパパも同じなので、夫婦で一緒に取り組んでみるのはいかがでしょうか。もちろん、ママの体調が悪い日や、お腹が張ったときは中断して、様子をみながら無理のない範囲でおこないましょう。
妊娠線の予防にクリームを塗る
妊娠した影響で体が丸みを帯び、お腹が膨らんでいく過程で、皮膚と皮膚に亀裂ができてみみず腫れのようになるものを妊娠線といいます。産後になるとしだいに目立たなくなっていきますが、完全に消えることはないので、妊娠中を通して予防を心がけることが大切です。
妊娠線ができる原因の一つは急激な体重増加。体重をコントロールして緩やかな増加を心がけることは、妊娠高血圧症候群などを防ぐだけでなく、妊娠線の予防にも繋がるのです。また、妊娠初期から保湿クリームをこまめに塗り、皮膚を柔らかく保つことも予防になります。お腹が大きくなるにつれ、身体全体に塗るのは大変になるので、ママが望むのであれば保湿クリームを塗る際にパパが手伝うこともサポートの1つになりますよ。
ママが身体を冷やさないように気をつける
下腹部が目立つようになるころ、ママは腰痛にも悩まされるようになります。これは妊娠によるホルモン分泌の影響で、骨盤の関節が緩くなってしまうために生じる痛みです。また重くなった上半身を支えるため、足の筋肉に疲労が溜まり、足がつりやすくなります。身体を冷やすと血行が悪くなり筋肉が強張ってしまい、この2つの症状がさらに悪化する可能性があるので、ママが身体を冷やさないようにパパも注意してあげましょう。
冬場のお出かけや、夏場のエアコンの使いすぎでママが身体を冷やしてしまった場合は、入浴や足湯で身体を温めると症状を和らげることができます。併せて長時間外出する場合は、車の中やカフェなどでこまめに休み、身体を温めながらゆっくりと楽しむことが負担軽減につながります。日常的に身体を温める習慣を続けていれば、腰痛や足がつる症状に加え、むくみの予防にもなるので、ママが身体を温められるようパパのしっかりしたサポートをお忘れなく。
胎教で赤ちゃんとコミュニケーションをしよう
赤ちゃんの胎動を感じるようになったらおすすめしたいのは、ママのお腹越しに赤ちゃんとコミュニケーションをとる胎教です。胎教では音楽やおもちゃの音を聞かせるだけでなく、たくさん話しかけたり、お腹を撫でたりすることで赤ちゃんに刺激を与えます。いつも聞いているママの声や心臓の音が安心できる音であるように、パパの声も赤ちゃんにとって安心できる音となるよう、たくさん話しかけてあげてくださいね。
次回は妊娠中期にママが悩まされるマイナートラブルの症状や、その対策の仕方について紹介します。
【参考文献】
※『最新! 初めての妊娠・出産新百科mini 』|株式会社ベネッセコーポレーション2021年刊
監修
ゆう助産院 今井智圭子院長
母子のことを第一に考え、自然なお産、楽しい育児を全力でサポート!がモットーの助産院。
明るくアットホームな環境で、頼りになる助産師が、妊産婦さんの心に寄り添って応援してくれます。