「陣痛(破水)かも!?」というときのパパの役割
ママと一緒にいるときに破水や陣痛が起きたら、出産する場所まで安全に連れていくのがパパの役割です。まずはかかりつけの産院に電話し、これから向かうことを伝えましょう。陣痛の場合、ママは定期的にやってくる痛みの波に耐えながら歩くことになるため、休み休みの移動になります。早く向かわなければと焦っていても、急がすことはせず、ママのペースに合わせて行動してください。破水している場合は、流れ出る羊水で服や車の中が濡れる可能性もあるため、バスタオルやレジャーシートを持っていくと安心です。
電話後は、パパのためのマタニティセミナー#13で紹介した入院セットを持ち、産院に向かいます。パパが車で連れて行く予定なら、臨月に入って以降はいつでも運転できるよう、当分の間は禁酒を心がけてください。またタクシーで向かう場合は、各タクシー会社が行っている陣痛タクシー(マタニティタクシー)というサービスに事前に登録しておけば、夜間でもスムーズに手配できます。
もしも離れているときに陣痛や破水が始まったなら、パパは可能な限り急いでママのところに駆けつけてください。陣痛・破水が自宅以外で始まった場合は、そこから直接産院に向かうことになるため、パパが自宅まで入院セット取りに帰る必要があるかも確認しておきましょう。駆けつけるのが難しいときは、電話やメッセージのやりとりで励まし、エールを送ることもサポートになります。パパの応援は、不安なママの心の支えとなるので、無事に出産が終わるまでは気を抜かずにサポートを続けましょう。
産後の生活のためにパパに考えて欲しいことは?
赤ちゃんはある程度大きくなるまでは常に誰かが側で見守る必要があるため、保護者であるパパ・ママは、以前のように気軽に出かけたり、ひとりで息抜きをするのが難しくなります。とくに産後3ヶ月以内は、慣れない育児のストレスから、精神的に追い詰めれれて、産後うつに発展してしまうケースも少なくありません。そこで、余裕がある今のうちから頼れるサービスを調べたり、リフレッシュする方法を考えておくことも、実はとても大切です。こちらでは、今から検討しておきたい産後ケア事業や、パパ自身の心をケアなどにつてお伝えします。
産後ケア事業は利用する? 妊娠中の利用申請も可能
産後ケア事業とは、出産後の赤ちゃんとの生活をサポートしてくれる、地域の保健所(保健センター)が行っているサービスです。ママがひとりで赤ちゃんのお世話をしなければならないときや、体調不良でお世話がつらいとき、初めての育児で不安なときなどに利用できます。自治体によって行っている支援の内容は異なりますが、基本的に次のような相談や育児のお手伝いを、助産師や看護師の資格を持つスタッフにお願いできます。
- ママの心身のケア
- 適切な授乳方法の指導
- 育児技術の指導
- 産後の生活の相談や支援
分からないことだらけの育児では、精神的につらいと感じる場面も出てくるため、不安なことを相談できる相手が必要になるときもあります。「なんとかなるだろう」と軽く考えず、産後ケア事業の利用もママと一緒に検討しておきましょう。また、産後ケア事業を利用するには事前登録が必要で、妊娠中から申請していれば産後スムーズに利用できます。産まれた後からでも保健所に相談すれば手続きできますが、赤ちゃんのお世話と並行して書類などを用意するのは大変なので、出産前に登録しておくのがおすすめです。
パパ自身のケアも忘れずに!
妊娠中の生活は順調だったとしても、何が起きるか予測できない産後は、意外な困難が待ち受けているかもしれません。赤ちゃんがNICUに入る可能性もあれば、ママの入院が長引く可能性もあります。夫婦二人で乗り越えられると思っていた育児でも、予想外の出来事で心身ともに疲れきってしまうこともあるため、ママだけでなくパパ自身のケアも忘れないことが重要です。
とはいえ、出産前後は急なトラブルに備え、長時間外出したり、お酒を飲んだりするのは控えたい時期ですよね。気軽にストレスを外で発散できないときだからこそ、家の中や近場で小まめに息抜きできる方法を探しておくのがおすすめです。数時間から半日くらい、息抜きできる時間を持ち、趣味やスポーツなどでリフレッシュを心がけましょう。
ママと離れてみるのも息抜きに
子育てがスタートしたばかりのころは、赤ちゃんへの接し方や育児に対する考え方の違いで、意見が合わずにママと衝突してしまうこともあります。さらに疲れやストレスが溜まっていると、普段なら気にならない相手のミスや態度が目につき、つい嫌味を言ってしまう場合もあるでしょう。どうしてもイライラする気持ちを切り替えられないときは、一度ママと距離を置き、考えを整理する時間も必要です。
しかし育児で忙しい時期に、「赤ちゃんはママが見てくれているから大丈夫」と、家族に何も言わずにふらりと消えてしまうと、「大変な時期に何もしてくれなかった」とママが感じてしまう原因になるかもしれません。ひとりの時間を作るときは、必ず相談してからにしましょう。
ママと離れて気持ちを整理する時間が確保できたら、まずは苛立つ気持ちを落ち着かせ、冷静な頭で家族とのやりとりや自分の行動を振り返ってみます。そして将来、家族とどのような関係を築きたいのかもイメージしてみましょう。
子どもが大きくなった後も夫婦の人生は続きます。赤ちゃんが産まれて以降、ママの愛情が少なくなったと感じるパパも多いようですが、パパ自身が育児と向き合うことを諦めなければ、子どもの成長とともに愛情は回復していきます。自分が思い浮かべた将来のイメージを実現するためにも、離れているときに、改めて家族との関わり方を考えてみましょう。考えを整理して息抜きができたら、今度は落ち着いた雰囲気でママと話せる時間も作ってみてください。
家事や子育ての中で得意分野を作っておこう
家事・育児をママの方が上手にこなしていていると、「ママに任せた方がいいか」や、「自信がないから引き受けないでおこう」という消極的な気持ちになってしまうこともありますよね。家事の場合は不慣れだとしても、便利な家電を活用したり、お惣菜を買ってカバーすることもできます。しかし、子育ては慣れていないからという理由で逃げてしまうと、家族の絆を育む時間まで失ってしまいます。そこで、家事・育児にどのように関わればいいのか分からなくなってしまう前に次のような得意分野を見つけ、自信をつけておくことも大切です。
- チャーハンならママより美味しく作れる
- 洗濯物を干すのがうまい
- 赤ちゃんとのお風呂はパパ担当
- いつも子どもと遊んでくれる
得意分野は、些細なことでもよく、自信を持って作れるメニューがあるなどでも構いません。また、「子どもと遊ぶ」というのも立派な育児です。遊んでくれている間は、ママにとって家事に専念できる時間になるため、これも役割分担になります。家事では活躍できないと感じていても、育児で得意分野が見つかるかもしれないので、赤ちゃんのお世話にチャレンジしながら役割を探していきましょう。