『食の雑学講座!ハロウィンのトリビア5選』~子どもと一緒に食を考える #93

  1. HOME >
  2. HOT >

『食の雑学講座!ハロウィンのトリビア5選』~子どもと一緒に食を考える #93

Terry Naniwa

Terry Naniwa

編集・ライター稼業に従事すること30余年。 子育ては卒業も、新米パパ&ママに先人の教えや 大切な伝統を発信することをライフワークに活動中。 明治、昭和、平成と時をこえて今も息づく暮らしの知恵を 届けます。

まもなく10月31日です。仮装を楽しむ一大イベントといわれるハロウィン、ハロウィーンともいわれる行事は日本でも秋を象徴するお祭りとして定着し、場所によってはクリスマス以上の盛り上がりを見せています。でもハロウィンとは何かと子どもに尋ねられた時、正しく説明できるパパ・ママは意外と少ないかもしれません。ハロウィンは、アメリカ発祥の仮装パーティーといったイメージを持つ方もいるかもしれませんが、実は2000年以上も前からヨーロッパに存在していた宗教的な祭りが起源となっているのです。そこで今回はお馴染み「食の雑学講座」としてハロウィンのイロハをトリビア風にご紹介します。

ハロウィンの発祥はアイルランド

ハロウィンの発祥は、今から2000年以上も前に現在のアイルランドなどに住んでいた古代ケルト人の祭礼「サウィン(Samhain)」が起源だといわれています。サウィンは「夏の終わり」を意味し、秋の収穫を祝うとともに、悪霊を追い払う宗教的な行事として、古代ケルト人の暮らしに根づいていました。ケルトの暦では、10月31日は1年の終わりの日であり、現世と来世を分ける境界が弱まる時。そして、死者の魂が家族のもとへ戻ってくる日としても信じられていました。

その死者の魂とともに悪霊も一緒にやってくると考えられ、その悪霊にケルトの人たちは人間だと気づかれないように、火を焚いたり仮面を着けたりして身を守ったといわれており、この風習が、ハロウィンの代表的な習慣である仮装の起源ともいわれています。この土着信仰がやがてキリスト教と結びつき、キリスト教の諸聖人に祈りを捧げる「万聖節」の前夜祭として行われるようになりました。

Hallowとは聖人を意味する言葉で、「諸聖人の日=All Saints’ Day」は「All Hallows」とも表記され、11月1日の「All Hallows」の前夜である10月31日は、「All Hallow’s Even(Eve)」。これが短くなり、訛って「Halloween」といわれるようにななったのです。

「Trick or Treat(トリック オア トリート)」の意味は?

ハロウィンの定番フレーズ「Trick or Treat(トリック・オア・トリート)」の由来はどこから来ているのでしょうか?諸説ありますが、有力な説は死者へ供える「ソウルケーキ」をもらう「ソウリング」という中世ヨーロッパの儀式に由来するものです。それが現在のお菓子を子ども達がねだる風習に繋がっています。

ハロウィンの夜に仮装した子どもたちが近所の家々を訪ね、「Trick or Treat」とその家の大人に声を掛けます。その言葉に「Happy Halloween」と呼応した大人が、チョコレートやキャンディーなどのお菓子を子ども達に渡すという習慣となり、欧米ではクリスマスに並ぶ一大行事となっています。

「Trick」は「たくらみ」や「悪ふざけ」などを意味し、「Treat」は「待遇する」「大切に扱う」「もてなす」などの意味を持っています。子ども達は、家族のもとへ戻る死者の魂に紛れてやってきた悪霊に扮して、「悪霊にいたずらされたくなければ、お菓子をちょうだい」とおねだりをするのです。

ハロウィンはかぼちゃではなく、元々はカブ!

ハロウィンが近づくと、街では不気味な表情が彫られているかぼちゃをよく見かけます。「ジャック・オー・ランタン」と呼ばれるランタンで、ケルト人の文化が根強く残るアイルランドのある物語に由来しています。

その昔、悪事ばかり働いていたジャックという男が、生前自分の魂を狙った悪魔と「死んでも、地獄に落とさない」という契約を結びます。ジャックは死後、生前の行いから当然のように天国へ行くことはできず、かと言って悪魔との契約のせいで地獄に行くこともできない。行き場を失ったジャックはくり抜いたカブの中に火を灯し、今も彷徨い続けているという伝説に因んでいます。

伝説に登場したのはカブなのに、なぜ今はかぼちゃが定番になっているのかというと、ハロウィンがアイルランド移民によってアメリカに伝わったとき、アメリカではカブよりかぼちゃの方が手に入り易かったのです。加えて、カブよりもくり抜きやすく、ろうそくを中に入れやすかったという理由もあり、かぼちゃがハロウィンを象徴するツールとして定着していったのです。

ハロウィンを代表する料理とは?

ではハロウィンを代表する食の数々をご紹介していきましょう。まず初めは、デビルドエッグです。元々は、アメリカでイースターによく食べられていた料理ですが、最近ではハロウィンでも定番の一品となっています。ゆで卵を半分に切って黄身の部分だけを取り出し、マヨネーズやマスタード、ピクルスなどで味付けして再び卵白の中へ盛り付ければ完成です。見た目も可愛いのですが、名前が「悪魔の卵」とは!まさにハロウィンパーティーにぴったりですね。

続いてはアイルランドやイギリスで伝統的に食べられているパンのバームブラックです。お茶に浸したたっぷりのレーズンと、シナモンやナツメグなどのスパイシーな味付けが特徴で、ハロウィン前後には、各家庭の食卓には必ず登場する歴史と伝統と人気を兼ね備えています。

ちなみにアイルランドには、バームブラックの中に小さなアイテムを入れて焼き、切り分けたときに出てきたもので運勢を占う風習があります。たとえば、リングが出てきたら結婚が近い、コインが出てきたら金運が上がるといった意味があるようです。

ハロウィンを代表するお菓子とは?

子ども達に人気のお菓子の分野も見ておきましょう。まずは、キャラメルアップル。アメリカのハロウィンで高い人気を誇っているお菓子で、キャラメルソースでコーティングしたリンゴの周りに、チョコチップやナッツ、カラフルスプレー、マシュマロなどを自由にトッピングして楽しまれています。見た目も華やかで、デコレーションを仕上げる過程も楽しいため、家族で一緒に作るのにもぴったりなお菓子とされています。

キャンディコーンは、アメリカで100年以上前から愛され続けているハロウィン定番のキャンディです。小さな三角錐(ピラミッド)の形をしており、先端は白、中央がオレンジ、底の部分が黄色というカラフルな見た目で、トウモロコシがモチーフとなっています。口に含むとバニラの香りが広がるとともに、やさしいバターの風味が楽しめますよ。

ハロウィンを絵本と一緒に楽しみましょう

ハロウィンのトリビアご紹介!いかがでしたか。ぜひお子さんと10月31日を楽しむ際に、この記事を参考にハロウィンの由来を教えてあげ、おいしい料理やスイーツsで盛り上がってくださいね。またパパキャリでは、ハロウィンをさらに盛り上げてくれる楽しい絵本の紹介していますので、お子さんへの読み聞かせにどうぞ!

【参考文献】
※『たべもの起源事典』|株式会社東京堂出版2003年刊

こちらもCHECK

【絵本紹介】元保育士ママがオススメ♫「かぼちゃぞろぞろ」 ~子どもに贈りたい珠玉の絵本 Vol.52~

絵本は、子どもの心を豊かにするだけでなく大人になってからの人間関係や性格にも好影響を与える存在です。パパ・ママが読み聞かせてくれた絵本は、子どもにとって大切な宝物になります。このコーナーでは元保育士で現役ママの「みうママ」が読み聞かせにピッタリ!話題の1冊をYouTubeでご紹介。今回は「かぼちゃぞろぞろ」です。

続きを見る

 

 

 

 

-HOT, 食・レシピ
-, , , , , ,