二十四節気を感じて【雨水】~日本の四季のお話~

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二十四節気を感じて【雨水】~日本の四季のお話~

Terry Naniwa

Terry Naniwa

編集・ライター稼業に従事すること30余年。 子育ては卒業も、新米パパ&ママに先人の教えや 大切な伝統を発信することをライフワークに活動中。 明治、昭和、平成と時をこえて今も息づく暮らしの知恵を 届けます。

海外に誇れる日本の文化はたくさんありますが、何と言っても四季があることとその季節に合わせた旬の味覚や行事が根付いていることではないでしょうか。そして春夏秋冬はさらに二十四節気・七十二候と分かれ、細やかな季節の移り変わりを感じる大切な目安になっています。日本ならではのこの素敵な季節感を、ぜひ次世代を担う子どもたちにもパパ・ママから伝えて欲しいとの願いから、この特集をお届けします。今回は【雨水】です。

雨水(2月19日頃~3月4日頃)

冬の間は空から降るのは雪ばかりでしたが、立春を過ぎるとそれは雨へと変わり、積もっていた雪や氷も解け始めて水となります。そのことからこの時節を雨水(うすい)と呼んでいます。たまに降雪があっても、真冬のような綿雪や牡丹雪ではなく、すぐに解けてしまう淡雪で、それすらもやがて糸を引くような春雨へと移っていくのです。溶けだした水が田畑を潤していくので、古くから農耕の準備を始める目安の時期とされてきました。

雨水は七十二候では、初候:土脉潤起(つちのしょう うるおい おこる)2月19日~23日、次候:霞始靆(かすみ はじめて たなびく)2月24日~27日、末候:草木萌動(そうもく もえ いずる)2月28日~3月4日の3つに分かれます。冷たい雪が暖かい春の雨に変わり大地に潤いを与える頃、霧やもやのため遠くの山や景色がほのかに現れては消え山野の情景に趣が加わる頃、足もとや庭木の先にほんのりと薄緑に色づく芽が見られる頃という意味になります。

旬のもの

この時期を代表する旬のものと言えば、きんかん、春キャベツ、ハマグリなどがあります。金柑(きんかん)は皮が甘く、身は酸味が強い小型の柑橘類です。生で食べる時は主に皮の甘みを楽しみ、丸ごと食べるには甘露煮やドライフルーツにして楽しみます。ビタミンCやヘスペリジンが豊富で風邪の予防や美容に効果が期待できます。

春キャベツは、他のキャベツよりも独特の丸みがあり、重なりや巻きが緩やかで葉が柔らかく、比較的中のほうまで緑が濃く甘みがあります。昔から胃腸の調子を整える保健食として食べられていました。蛤(ハマグリ)は雛祭りや結婚式には欠かせない縁起のよい貝です。ハマグリの二枚の貝殻は対のもの以外とは合わないことから夫婦和合の象徴とされ、祝事に用いられる食材となりました。

季節の行事「雛祭り」

3月3日の雛祭りは「桃の節句」とも呼ばれ五節句の一つです。もともとは平安時代に中国から伝わったもので、草木や藁で作った人形に自分の身体についた穢れや災厄を移して川に流す「流し雛」という行事がルーツになっています。雛人形を飾り厄除け祈願する「上巳の節句」と宮中の女子が好んだ「雛遊び」などが融合発展し、江戸時代に正式に3月3日(旧暦)が「桃の節句」と制定されました。旧暦3月3日の頃は桃の花が咲く時期で、桃は邪気を払い縁起が良いとされていたことに因んだようです。

暮らしの中の楽しみ「ちらし寿司」

雛祭りの食卓に並ぶ行事食といえば、まず「ちらし寿司」が挙がりますね。すし飯の上に刺身や錦糸卵など、さまざまな食材を載せた食べ物ですが、地域によっては「ばら寿司」を食べる所もあるようです。ちらし寿司はすし飯の上にさまざまな具を「散らし」て作ることが語源とされています。一方のばら寿司は、すし飯の中に具材を混ぜ込むタイプのこと呼ぶことが多いようですが、地域によってはどちらも「ちらし寿司」と呼んでいるところもあります。

大別すれば、東京をはじめ関東エリアではすし飯には具材を入れず、上に魚介類などの具材を載せるスタイルで「ちらし寿司」、大阪や京都の関西エリアではすし飯にばらっと具材を混ぜ込んだ「ばら寿司」風をちらし寿司と呼び、雛祭りで食すことが一般的なようです。因みに筆者は根っからの関西人なので、具材をすし飯の中に混ぜ込むタイプが好みですが、皆さんはどちらでしょうか?

【参考文献】
※『二十四節気を楽しむ図鑑』|株式会社二見書房2018年刊

※『日本の四季と暦』|株式会社学研パブリッシング2013年刊

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