
海外に誇れる日本の文化はたくさんありますが、何と言っても四季があることとその季節に合わせた旬の味覚や行事が根付いていることではないでしょうか。そして春夏秋冬はさらに二十四節気・七十二候と分かれ、細やかな季節の移り変わりを感じる大切な目安になっています。日本ならではのこの素敵な季節感を、ぜひ次世代を担う子どもたちにもパパ・ママから伝えて欲しいとの願いから、この特集をお届けします。今回は【清明】です。
清明(4月5日頃~4月19日頃)

清明(せいめい)とは万物が清らかで生き生きとした様子を表した「清浄明潔」という言葉を訳した季語になります。花が咲き、蝶が舞い、空は青く澄み渡り、爽やかな風が吹く頃を指しています。中国では青色の範疇に本来の青色のほか緑色も含まれてるので、春に萌え出た緑色の若草も青草と表現していました。この考えが日本にも影響を及ぼし、今でも緑色のモノを青で表現することが残っています。青葉、青信号などがその代表的な例になります。
清明は七十二候では、初候:玄鳥至(つばめ きたる)4月5日~4月9日、次候:鴻雁北(こうがん かえる)4月10日~4月14日、末候:虹始見(にじ はじめて あらわる)4月15日~4月19日の3つに分かれます。冬の間、暖かい東南アジアの島々で過ごしていたツバメが海を渡って、日本にやってくる頃、ツバメとは反対に、冬の間を日本で過ごした雁が北のシベリアへと帰っていく頃、春が深くなるにつれ、空気が潤ってくるので、きれいな虹を見ることができる頃という意味になります。
旬のもの

この時期を代表する旬のもの言えば、桜エビ、新じゃがいもなどがあります。桜エビは国内では静岡県の駿河湾のみで捕獲される珍しい品種になります。冬を超えて十分に成長しており、旨みが凝縮されています。殻がやや硬めのため、しっかりした食べ応えが楽しめ、鮮やかなピンク色が見た目にも春を感じさせてくれます。
新じゃがいもは秋からのじゃがいもと比べ、葉や茎がまだ青い状態の時に収穫し保存されるので、小ぶりで鮮やかな色をしています。皮が柔らかく、瑞々しいのが特徴です。皮ごと食べられるため、煮物や揚げ煮、炒め物、バター焼きなど、皮の風味を活かしたホクホクの料理が人気です。
季節の行事「十三詣り」

昔から、生まれ年の干支が初めて回ってくる数え年の十三歳は心身ともに大人に変化する重要な節目とされていました。十三詣りは、数え年で十三歳になった男女が健やかに成長したことに感謝し、福徳と知恵を授かるため虚空蔵菩薩(こくぞうぼさつ)にお参りする行事です。
特に女の子は人生最初の厄年に当たるため、厄払いも兼ねています。本来は、虚空蔵菩薩の縁日である4月13日頃(旧暦では3月13日)にお参りすることとされていました。
暮らしの中の楽しみ「ホタルイカ」

ホタルイカは、ツツイカ目ホタルイカモドキ科に属する胴の長さは約7cm、重さは10gほどの小さなイカになります。日本海での生息場所は、水深200~600mの深いところ。寿命は一年と短く、春に生まれ、次の春に産卵のために富山湾などの産卵場所にやってきます。もともとは「まついか」や「こいか」と呼ばれていました。「ホタルイカ」と名付けられたのは明治38年。東京大学の教授であり、ホタルの研究をしていたの渡瀬庄三郎博士によって命名されました。渡瀬博士は、富山県に光るイカがいると知り研究を始め、ホタルのように美しく光る姿から名づけたと言われています。
生のホタルイカは適切な処理がされておれば刺身でも楽しめます。身の甘みを感じられ、まさに春の味覚の代表の一つです。また、生のホタルイカを出汁醤油に漬けこんだ沖漬けも絶品です。一方、加熱をしたホタルイカは、酢みそ和えや煮物、炒めもの、炊き込みごはんなど、幅広い料理に活用できるのが魅力です。
【参考文献】
※『二十四節気を楽しむ図鑑』|株式会社二見書房2018年刊
※『日本の四季と暦』|株式会社学研パブリッシング2013年刊