『夏野菜の魅力に迫る(ⅱ) 胡瓜』~子どもと一緒に食を考える #39

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『夏野菜の魅力に迫る(ⅱ) 胡瓜』~子どもと一緒に食を考える #39

Terry Naniwa

Terry Naniwa

編集・ライター稼業に従事すること30余年。 子育ては卒業も、新米パパ&ママに先人の教えや 大切な伝統を発信することをライフワークに活動中。 明治、昭和、平成と時をこえて今も息づく暮らしの知恵を 届けます。

シリーズで夏野菜の魅力をご紹介する特集の第2回は「胡瓜」を取り上げます。原産地はインド・ヒマラヤ山麗いわれており、西アジア地域では三千年以上も前から栽培されてきている歴史ある野菜です。日本には平安時代中期に中国から伝わってきましたが、本格的に作られるようになったのは江戸時代からなんです。ウリ科キュウリ属に分類され、夏の涼しげなメニューに重宝される「胡瓜」の魅力はどこにあるのでしょうか。

若く熟成前の緑色の「胡瓜」の登場で全国に拡がる

今でこそキュウリは「胡瓜」と表記しますが、江戸時代までは「黄瓜」と書かれ、しっかり完熟させて表面が黄色になった状態で食べていたことに起因しています。ただ、熟した「黄瓜」は苦味がとても強く、食材としては人気がありませんでした。幕末から明治にかけて、品種改良が進んでいくなか、若い未熟なキュウリの方が、歯ごたえが良く、苦味もなく、おいしいということが認識され、現在の緑色の「胡瓜」が出回るようになり、家庭野菜の中心へと地位を上げていったのです。

むくみの改善や熱中症対策に効果を発揮する野菜

「胡瓜」は栄養価が低いと思われがちですが、いえいえ、夏場の私たちの体を守ってくれる素敵な成分を豊富に持っているのです。ミネラル類の一つであるカリウムがその代表になります。この成分は体内の細胞内液に含まれていて、ナトリウムとともに、体内の水分を調整し、細胞内の浸透圧を正常に保つ働きがあります。

ナトリウム(塩分)が多くなり過ぎると、体内の塩分濃度を下げるため細胞は水分を余分に取り込み、体がむくんでしまいます。カリウムをしっかり摂っていれば、その働きで余分なナトリウムを体外へ排出してくれます。ママをはじめ女性に嬉しい効能「むくみの解消」に大いに役立つ野菜なんです。この働きから高血圧の予防や改善にも効果があるともいわれています。

また中国・漢方の考えでは、「胡瓜」は体の熱を取り除き、解毒作用も期待できる野菜とされています。喉の激しい渇き、咽頭の腫れや痛み、目の充血や痛み、火傷などの対策に用いられています。近年では、暑い時期の体の火照りを抑える効果に注目が集まっており、熱中症対策にも有効な食材として位置づけされているのです。

「胡瓜のぬか漬け」は日本ならではの健康食

私たち日本人の食卓に欠かせないお漬物。なかでも「胡瓜のぬか漬け」は定番中の定番といえる存在です。「胡瓜」の果肉はぬかとの相性が良く、ぬか自体に含まれているビタミンB群ビタミンKなどをたっぷり吸収し、疲労回復に効果が期待できる素晴らしい食材へと進化してくれます。また腸内環境を整える乳酸菌もぬか床からしっかり取り込んでくれるので、「胡瓜のお漬物(ぬか漬け)」は日本ならではの一石二鳥の健康食と言えるでしょう。

おいしい「胡瓜」を選ぶポイント

では素敵な栄養価を持つ「胡瓜」を野菜売り場で選ぶ際のポイントをお伝えしておきましょう。まず第1は太さが均一で緑色が濃く鮮やかなモノ、次に表面のイボが尖っていて触ると痛いくらいのモノ、そしてヘタの切り口が黒ずんでいないモノ。この3点でチェックすれば新鮮でおいしい「胡瓜]が食卓で楽しめます。

「胡瓜」をおいしく食べて猛暑を乗り切りましょう

瑞々しさとパリッとした食感が特徴の夏野菜「胡瓜」は、どうしても食欲不振になりがちな夏場の食卓の救世主的な存在です。冷麺の具、冷汁の具などから鰻と酢で和えた「うざく」、そしてぬか漬けまで、多種多様なメニューの中で活躍してくれます。魅力一杯の「胡瓜」をおいしく食べて、家族みんなで猛暑を乗り切ってくださいね。

【参考文献】

※『野菜~野菜の知識と美味しい食べ方』|株式会社枻出版社2016年刊

※『からだのための食材大全』| 株式会社NHK出版2018年刊

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