離乳食とは、母乳やミルク以外の食事から栄養を摂取するための練習になるもので、赤ちゃんが5~6ヶ月くらいになる頃からスタートします。赤ちゃんの成長に合わせて食べやすい大きさや硬さを変えていく必要があるので、毎日の食事をママに任せているパパだと、離乳食と聞いただけでもうチンプンカンプンですよね。でも子育ては夫婦の共同作業が何より大切です。離乳食の基本を知ることは決して難しくはなく、理解すれば赤ちゃんの成長がより身近に感じることもできるのです。
このシリーズではパパに離乳食のイロハをお伝えしていきます。第1回は、離乳食とは何か、そして基本のルールについてです。
離乳食とは、どうして赤ちゃんに必要なのか?
離乳食には母乳やミルクでは足りない栄養分を補う役割があり、最近では補完食とも呼ばれています。母乳は赤ちゃんの成長に欠かせないたんぱく質やカルシウム、鉄などの栄養素が含まれており、赤ちゃんにとって理想的な栄養源です。しかし赤ちゃんが生後6ヶ月をすぎる頃には母乳が出始めた頃と比べ、母乳中のたんぱく質の量は約40%、カルシウムや鉄は約25%も減少してしまいます。このままでは栄養不足になってしまうため、母乳やミルク以外の食事から栄養を補うことが必要になってきます。
離乳食をはじめる生後5~6ヶ月頃の赤ちゃんは、それまで液体の母乳やミルクしか口にしてこなかったので、急に固形の食べ物を口にしても飲み込むことができません。柔らかく飲み込みやすい物から食べ進め、少しずつ普通の食事に近づけていく離乳食は、食事の練習という役割もあるのです。
離乳食の進め方
離乳食は赤ちゃんの噛む力や消化能力の発達に合わせて離乳食の大きさや硬さを調整する必要があります。また食材の種類を段階的に増やすことも大切です。ここで紹介する離乳食の進め方はあくまで目安ですので、成長には個人差があることに注意しておきましょう。
時期はいつからはじめていつまで続ける?
離乳食は赤ちゃんの首がすわり、支えがあればおすわりできるようになる5~6ヶ月頃から始めます。離乳食の時期は赤ちゃんの成長にあわせて4段階に分けることができ、次のような期間を経て通常の食事に近づけていきます。
- 5~6ヶ月の離乳食初期(ゴックン期)
- 7~8ヶ月の離乳食中期(モグモグ期)
- 9~11ヶ月の離乳食後期(カミカミ期)
- 1歳~1歳6ヶ月の離乳食完了期(パクパク期)
1歳ごろには1日の3食とも離乳食から栄養を摂れるようになるので、乳離れが可能になります。そして柔らかめに炊いたご飯を主食にできるようになれば、いよいよ離乳食を卒業して、幼児用の柔らかく塩分控えめな食事へと移ります。
半年~1年かけて「飲む」から「食べる」へステップアップ
離乳食は液体に近く消化しやすいポタージュ状のタイプからはじめ、少しずつ硬さがある物へと変えていくことで食事に慣らしていきます。1日1さじからスタートし、様子を見ながら食べる量を徐々に増やします。食べ物を口に入れることに慣れれば、赤ちゃんはあごや舌の動かし方をしだいに覚え、モグモグと歯茎や舌で食べ物をすりつぶすようになります。そのような口の動きの発達や歯の生え方、月齢などを目安に離乳食の形を変え、半年~1年かけて一般的な食事に近づけていくのが目標です。
食物アレルギーに注意
体が食べ物を異物と判断し、過剰反応してしまう食物アレルギー。卵や乳製品、小麦粉のようなありふれた食品でも、発達途上の赤ちゃんの体では異物と判断されてしまい、この症状が出る場合があります。でも赤ちゃんの食物アレルギーは、小学校へ上がる頃には8~9割の子が自然に治っているので、心配しすぎず成長を待ちましょう。
※アレルギーが出るかは試してみなければ分からないので、新しい食材を与えるときは1さじずつからはじめ、万が一、症状が出ても病院に行きやすい午前中のうちに試すようにしましょう。