カレーのお供でお馴染みのラッキョウは、この5月から6月に旬を迎えます。パパキャリ読者の皆さんも薬味として食べる機会はあると思いますが、それ以外で食卓に登場することは少ないことでしょう。でもラッキョウには血液をサラサラにしてくれる効果があるなど、私たちの健康を守る大きな味方になってくれる食材なんです。そこで今回は旬を迎えたラッキョウの素敵な魅力について迫ります。
中国が原産で9世紀ごろに伝わったラッキョウ
ラッキョウはユリ科ネギ属の野菜で、中国が原産地で6世紀頃に栽培が始まったとされています。日本では平安前期の文献「新撰字鏡」(892年)に初めてその名が登場していることから、9世紀ごろに伝わって来たようです。収穫の旬は5月~6月ですが、花が咲くのは10月~11月になります。主産地の鳥取砂丘周辺では、まるで赤紫の絨毯を広げたような花畑を見ることができます。漢字では「辣韮」と書きますが、これは辛辣な味のニラを意味しており、これが変化してラッキョウと呼ばれるようになりました。
ラッキョウの魅力①(硫化アリル、ビタミンC)
ではラッキョウに含まれる魅力一杯の栄養素をご紹介しましょう。まずは硫化アリル。この成分は消化液の分泌を促して新陳代謝を良くしてくれ、さらに血液をサラサラにし血流を良くするはたらきがあります。ただ硫化アリルは水に溶けやすく熱に弱いので、効率良く摂るためには生食がおすすめです。
続いてはビタミンCです。こちらは抗酸化作用があるので、体内でフリーラジカルによるダメージから細胞を守ってくれます。そしてコラーゲン生成にはビタミンCが必要とされているので、ママのお肌の健康のためにも重要な栄養素になります。
ラッキョウの魅力②(カリウム、水溶性食物繊維)
三番目はカリウム。生のラッキョウ100gあたりに含まれるカリウムの量は230mgと豊富です。カリウムにはナトリウムを排出するはたらきがあり、塩分の摂り過ぎを調節するうえで欠かせない栄養素とされています。日常、手軽にカリウムを摂るにはラッキョウが適した食材といえるでしょう。
そして水溶性食物繊維もラッキョウに含まれる大切な成分です。その量はなんとゴボウの約4倍、お腹の調子を整え、便秘対策に役立つはたらきが期待できます。私たちの食物繊維の摂取量は年々、減少傾向にあるので、意識して積極的に摂ることが必要です。日々の食事にラッキョウをぜひ取り入れたいですね。
生食を基本に効率良い栄養摂取を
これまでご紹介してきたラッキョウの素敵な栄養素を効率良く摂取するには、なんと言っても生食が大切と覚えておきましょう。定番の甘酢漬けの場合は、漬け汁に栄養素が流れ出てしまうことがあります。漬け汁ごと食べれば流れ出た栄養素もしっかり摂ることができますが、汁ごとと言っても限度があるので生食が一番と言えますね。
加えて、硫化アリルは水に溶けやすいだけでなく、熱にも弱いため加熱調理も不向きになります。血液サラサラ効果を期待するにもラッキョウスライスやサラダの具材として生のまま食べるのがおすすめです。
ラッキョウで家族の健康促進を
小さな一粒に栄養がギッシリ詰まったラッキョウの魅力、いかがでしたか。血液サラサラ効果から、免疫力を高めてくれる作用、そして動脈硬化やストレス性疾患などの生活習慣病の予防まで私たちの健康促進に大きな味方となってくれます。ぜひ家族みんなで1日に5~6粒のラッキョウを食べて、健康な生活を送ってくださいね。
【参考文献】
※『からだに効く 野菜の教科書』|株式会社主婦の友社2016年刊
※『たべもの起源事典』| 株式会社東京堂出版2003年刊