夏と言えば、スイカを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。冷やしてそのまま食べるのはもちろん、スムージーやゼリーなどのスイーツに使われ夏の風物詩のひとつですね。またスイカの産地では皮をみそ漬けや浅漬けにして食べられていますし、海外ではスイカの種を炒って食べる文化もあります。このように、スイカはいろいろな食べ方ができるため、フルーツなのか野菜なのか、どっちと疑問に思う方もいるようです。今回はスイカは果物か野菜かについて調べてみました。
スイカは野菜と定義されています
農林水産省の定義ではスイカは「果実的野菜」に該当し、野菜のジャンルに分類されています。野菜は大根やにんじんなどの「根菜野菜」、きゅうりやトマトのような「果菜野菜」をはじめ5つに細分化されており、その中の「果実的野菜」にスイカは含まれているのです。ここに属する野菜は、分類上は野菜でも一般的には果物として食べられている物になります。メロンやいちごもこのジャンルに分類されており、私たちがフルーツとして親しんでいる物が実は野菜に属しているのは興味深いですね。
なぜスイカは野菜に分類されているのか?
実は野菜か?果物か?の定義は、生産・出荷統計や家計調査などの分野によって見方が異なるため、統一されているわけではありません。そのため、ここでは農林水産省の定義を基準としてご紹介します。まず野菜の定義は、草本性(そうほんせい)で食用にできる植物、加工を前提にしていないもの、田畑で栽培されるもの、副食物であることの4つの条件を満たしているものとされています。
一方、果物は2年以上栽培する草本植物および木本(もくほん)植物であること、果実を食用とするものが条件と定義されています。スイカは苗を植えてから1年で収穫する点が一般的な野菜と同じであることから、野菜として分類されたのです。
スイカをおいしく保存する方法(丸ごと1個)
ではスイカをおいしく食べるための保存方法をご紹介しましょう。まずは丸ごとのスイカを常温保存する場合です。丸ごとのスイカは、そのまま直射日光の当たらない風通しの良い涼しい場所で保存しましょう。食べる2~3時間前に冷やすと、おいしさが引き立ちます。丸ごとだと冷蔵庫に入りきらないことが多いので、水を張った大きなボウルやたらいにスイカを入れて冷やしましょう。スイカに布巾をかけ、上から少しずつ流水をかけるのも効果的です。
なお、スイカは収穫してから時間が経つとしだいに味が落ちてしまいます。常温保存の場合は、購入してから1~2週間を目安に食べ切るようにしてくださいね。
スイカをおいしく保存する方法(カットしたスイカ)
皮つきのカットしたスイカは、切り口が乾燥しないように全体をぴったりラップで包み込み、冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。これなら2~3日の保存は可能ですが、味が落ちやすいので、なるべく早めに食べるようにしてください。
皮を取り除いた分はは、小分けにしてラップでしっかり包み込むか、蓋付き容器に入れて保存するのがおすすめです。ただ果肉が乾燥したり崩れたりしやすいので、こちらも2~3日内に食べ切るようにしましょう。
スイカをおいしく保存する方法(冷凍)
カットしたスイカはどうしても傷みやすくなるため、長期で保存する場合は冷凍がおすすめです。ひと口大にカットしてから皮と種を取り除き、全体に軽く砂糖をまぶします。小分けにしてラップに包み込み、フリーザーバッグに入れて冷凍庫で保存します。これなら1~2ヶ月は大丈夫ですのでお試しください。
ただ食べる際は、完全に解凍してしまうと食感と味が極端に悪化するので、凍ったままジェラートやスムージーにしたり、半解凍でシャーベットとして食べたりするのがおすすめです。
この夏、家族でスイカをおいしく食べましょう
フルーツとして親しまれているスイカが、実は分類上は野菜と定義されているというお話いかがでしたか。野菜であり、果物でもあるスイカですが、夏の風物詩としておいしく食べたいですね。ここでご紹介した保存方法を参考に、この夏も、家族でスイカをたっぷり楽しんでくださいね。
【参考文献】
※『メロンとスイカの歴史』|株式会社原書房2017年刊
※『スイカの作業便利帳』|農山漁村文化協会2012年刊