「旬を迎えたメロン♫その品種や選び方をご紹介」~子どもと一緒に食を考える #83

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「旬を迎えたメロン♫その品種や選び方をご紹介」~子どもと一緒に食を考える #83

Terry Naniwa

Terry Naniwa

編集・ライター稼業に従事すること30余年。 子育ては卒業も、新米パパ&ママに先人の教えや 大切な伝統を発信することをライフワークに活動中。 明治、昭和、平成と時をこえて今も息づく暮らしの知恵を 届けます。

果物の王様と呼ばれるメロンの旬がやってきました。なんとも言えない甘い香りとジューシーな果肉のおいしさに誰もが魅了されますね。青肉種のマスクメロンをはじめ、赤肉種の夕張メロンからノーネット系のプリンスメロンまで、様々なメロンが私たちの舌を楽しませてくれます。今回は、その種類やおいしいメロンの選び方などをご紹介します。

メロンは野菜?果物?どっち

メロンはかぼちゃやきゅうりなどと同じウリ科の植物になります。植物学に基づくと、野菜に分類されるイメージですが、メロンは高級フルーツの代名詞でもあるように、果物として私たちは認識しています。ただ農林水産省の定義によると、メロンは野菜に分類されているのです。野菜の分類は、根菜類や葉茎菜類などに細分化されますが、そのなかでメロンは「果実的野菜」の位置づけになります。

果実的野菜とは、果物として食べられる野菜のことです。つまり、分類上は野菜でも一般的には果物として食べられているものを指しているのです。果実的野菜は、メロン以外にも、いちごやスイカなどが属しています。

メロンの分類は主に4種

メロンの皮の網目は、果肉が肥大するときに皮がはじけてヒビができ、そのヒビがかさぶた状になったもの。この網目があるものとないもので、ネット系、ノーネット系に分けられています。そしてネット系は、果肉の色から赤、青、白の3つに分類されるので、4つのタイプのメロンがあると覚えておきます。

ネット系メロンは、濃厚な甘味で香りが強いものが多く、マスクメロンに代表されるひと株に1個が育つ高級品種が有名です。ノーネット系メロンは、比較的安価な品種のものが中心になりますが、甘さもしっかりあるものが多く根強い人気があります。

赤肉種の代表「夕張メロン」

では各々の種類の代表的なメロンをご紹介していきましょう。まず赤肉種からは「夕張メロン」、北海道夕張市の特産のブランドメロンです。品種名は「夕張キング」といい、「アールスフェボリット」と「スパイシーカンタロープ」という品種を交配した品種で、1961年に命名されました。

果肉がオレンジ色をしていて、香り高くジューシー。甘みが強いのも夕張メロンの特徴です。果皮は熟するにつれて少し黄色っぽくなってきて、完熟するころにはとろけるような食感が楽しめます。「夕張メロン」が出荷されるのは5月下旬~8月中旬。とくに旬の時期は6月~7月になります。

青肉種は何と言っても「マスクメロン」

青肉種ではメロンの代名詞でもある「マスクメロン」が何と言っても皆さんお馴染みですね。上品な甘みと香り、みずみずしくてなめらかな口当たりが特徴のネット系メロンです。主な産地は、ダントツで静岡県。ほかにも茨城県や千葉県、高知県などでも栽培されています。

実は「マスク」とは品種名ではなく「じゃこう」のこと。「良い香りがする」という意味です。大正時代にイギリスから導入された「アールスフェボリット」が「マスクメロン」の代表的な品種になります。その後、様々な改良が重ねられ、今では多くのアールス系メロンが作られています。「マスクメロン」は温室栽培が多く、そのため年間を通して出荷されているので、いつでも楽しめるのも大きな魅力です。

なおネット系の最後、白肉種には「新芳露(しんほうろ)」があります。島根県農業試験場において1960年頃に育成されたもので、収穫できる時期が短く追熟も収穫後3日ととても早いため、生産地で消費され市場には出回らないことから「幻のメロン」と呼ばれています。

ノーネット系の代表は「プリンスメロン」

網目の無いノーネット系の代表といえば「プリンスメロン」です。この品種は農園芸会社の「サカタのタネ」が開発した品種です。発表されたのは1962年で、ヨーロッパのカンタロープ種「シャランテ」と日本のマクワウリの一種「ニューメロン」を交配して作られました。果皮がつるっとしていて白みがかった薄緑色をしています。果肉は淡いオレンジ色から黄緑色。このメロンの旬は4月〜6月ごろ。5月ごろが出荷の最盛期となっています。

おいしいメロンの選び方

おいしいメロンを見分ける際は、形や重み、香りを確認することがポイントです。メロンの形は、丸く左右対称で変形していないほうが良く、皮に張りがあってお尻部分に弾力があるものがベストです。また、お尻部分のへそが小さく、飛び出していないものを選ぶようにしましょう。メロンは、その品種特有の大きさで、大き過ぎず小さ過ぎないものが良く、見た目の大きさよりも手で持ったときにずっしりと重みを感じるものがオススメです。そして、メロンから、特有の甘く豊かな香りがするものがおいしさの証と覚えておきましょう。

ネット系メロンを選ぶ場合は、網目が細かく均一に張りめぐらされているか確認してください。網目が盛り上がっているものが肉厚でおいしく、そして表面に傷やあざがないものを選びましょう。ノーネット系メロンを選ぶ場合は、表面に筋や傷が入っているものや黒い斑点が入っているもの、変色したものは避け、表面がつるりときれいなものがオススメ。形や色のバランスのよいものを選んでくださいね。

家族でおいしいメロンを楽しみましょう

メロンの各品種のお話、いかがでしたか。それぞれの品種によって特徴があるので、見た目だけでなく、味や旬の時期にも違いがることを知っておくと好みのメロンを選ぶときに役立ちますね。ぜひ家族みんなで、旬のおいしいメロンを楽しんでくださいね。

【参考文献】

※『からだのための食材大全』|株式会社NHK出版2016年刊

※『たべもの起源事典』| 株式会社東京堂出版2003年刊

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