二十四節気を感じて【穀雨】~日本の四季のお話~

  1. HOME >
  2. HOT >

二十四節気を感じて【穀雨】~日本の四季のお話~

Terry Naniwa

Terry Naniwa

編集・ライター稼業に従事すること30余年。 子育ては卒業も、新米パパ&ママに先人の教えや 大切な伝統を発信することをライフワークに活動中。 明治、昭和、平成と時をこえて今も息づく暮らしの知恵を 届けます。

海外に誇れる日本の文化はたくさんありますが、何と言っても四季があることとその季節に合わせた旬の味覚や行事が根付いていることではないでしょうか。そして春夏秋冬はさらに二十四節気・七十二候と分かれ、細やかな季節の移り変わりを感じる大切な目安になっています。日本ならではのこの素敵な季節感を、ぜひ次世代を担う子どもたちにもパパ・ママから伝えて欲しいとの願いから、この特集をお届けします。今回は【穀雨】です。

穀雨(4月20日頃~5月5日頃)

穀雨(こくう)とは、多くの穀物を潤す春の雨が降る頃を指す言葉で、田畑の準備を整える農家にとってはまさに恵みの雨になります。天からの贈り物をたっぷり吸いこんだ穀物は、すくすくと元気に育ち、豊かな実りを私たちにもたらしてくれます。そのため、この時期の雨は年間を通して最も重要と人々の関心も高く、その気持ちが如実に反映され、「瑞雨(ずいう)」とも呼ばれているのです。

穀雨は七十二候では、初候:葭始生(あし はじめて しょうず)4月20日~4月24日、次候:霜止出苗(しもやんで なえいづる)4月25日~4月29日、末候:牡丹華(ぼたんはなさく)4月30日~5月5日の3つに分かれます。水辺の葭が芽吹き始め、山の植物、野の植物が緑一色に輝き始める頃、暖かくなり、霜も降らなくなり、苗がすくすくと育つ頃、百花の王である牡丹が開花し始める頃という意味になります。

旬のもの

この時期を代表する旬のもの言えば、天然の真鯛、タラの芽などがあります。真鯛は、この時期に産卵のために浅瀬へ移動するため漁獲量が増えます。産卵を前にした真鯛はピンク色が鮮やかになることから、桜鯛とも呼ばれ、さっぱりとした上品な脂がのった身は旨味たっぷりで、白子や卵も楽しめます。

タラの芽はタラノキの若芽の事を指す言葉で、全国に自生しており春の訪れと共に旬を迎えます。収穫された天然物のタラの芽は道の駅を始め直売所等で販売されます。ほのかな苦みと独特な香りが特徴のタラの芽は、家庭料理を始め、飲食店や料亭でも人気の食材です。数ある山菜の中でもファンが多く、栄養価も豊富な事から、山菜の王様と称されおり、天ぷらで楽しむのがオススメです。

季節の行事「八十八夜」

立春から数えて、八十八日目に当たる夜のことで、2026年は5月2日になります。田植えや茶摘みが行われる時期で、春から夏への移り変わりを示す目安でもあります。この頃に摘まれる新茶は不老長寿の縁起物として親しまれ、農作業においては「別れ霜(遅霜)」の心配が減る農事開始の時期とされています。

日本の歌百選にも選ばれた「茶摘み」は、パパキャリ世代の皆さんでも知っている方も多いことでしょう。ぜひ、お子さんにも日本ならではの原風景を唄った素敵な曲を教えてあげてくださいね。

<茶摘>

◇1.夏も近づく八十八夜 野にも山にも若葉が茂る

   あれに見えるは茶摘ぢやないか あかねだすきに菅(すげ)の笠

2.日和つづきの今日此の頃を 心のどかに摘みつつ歌ふ 

   摘めよ摘め摘め摘まねばならぬ 摘まにや日本の茶にならぬ

暮らしの中の楽しみ「筍」

筍(たけのこ)はタケ類の地下茎からでる幼茎のことです。「筍」という漢字は、竹が10日間(一旬)で成長するため、竹の旬の時期という意味が由来であるとも言われています。その筍を楽しむ料理の中で、筆者が何よりの好きなのが「筍の木の芽和え」なんです。同じく春が旬の木の芽(山椒の葉のこと)を組み合わせた料理で、春の訪れを感じさせてくれるレシピです。

木の芽とゆでたほうれん草を、白味噌、砂糖、卵黄とともにすり鉢ですり、しっかりアク抜きして茹でた筍に和えて作ります。卵黄を入れることで味噌に艶が出て、味にもコクが加わります。ぜひ皆さんもお家で春の味覚を楽しんでみてくださいね。

【参考文献】
※『二十四節気を楽しむ図鑑』|株式会社二見書房2018年刊

※『日本の四季と暦』|株式会社学研パブリッシング2013年刊

-HOT, 家事・暮らし
-, , , , ,