二十四節気を感じて【秋分】~日本の四季のお話~

Terry Naniwa

Terry Naniwa

編集・ライター稼業に従事すること30余年。 子育ては卒業も、新米パパ&ママに先人の教えや 大切な伝統を発信することをライフワークに活動中。 明治、昭和、平成と時をこえて今も息づく暮らしの知恵を 届けます。

海外に誇れる日本の文化はたくさんありますが、何と言っても四季があることとその季節に合わせた旬の味覚や行事が根付いていることではないでしょうか。そして春夏秋冬はさらに二十四節気・七十二候と分かれ、細やかな季節の移り変わりを感じる大切な目安になっています。日本ならではのこの素敵な季節感を、ぜひ次世代を担う子どもたちにもパパ・ママから伝えて欲しいとの願いから、この特集をお届けします。今回は【秋分】です。

秋分(9月23日頃~10月7日頃)

秋分(しゅうぶん)とは、春分と同じように、太陽が真東から昇り真西に沈む、昼と夜の長さが同じになる日のこと。秋分の日を中心とした前後一週間が秋のお彼岸です。「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉通り、この日を境にじょじょに気温が下がり出します。しだいに秋の深まりが感じとれる日が多くなってきます。

七十二候では、初候:雷及収声(かみなり すなわち こえをおさむ)9月23日~9月27日、次候:蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ )9月28日~10月2日、末候:水始涸(みずはじめてかるる)10月3日~10月7日の3つに分かれます。夏の間に鳴り響いた雷が収まる頃、外で活動していた虫たちが冬ごもりの支度をはじめる頃、田の水を落として、稲穂の刈り入れを始める頃という意味になります。

旬のもの

この時期を代表する旬のもの言えば、松茸、鯖などがあります。香りや味わいがよく、収穫量も多くなく高価であることから「茸の王様」のような存在である国産の松茸は岩手県や長野県が主な産地となります。香りが命ですから、調理の際は水でゴシゴシ洗うのはご法度。濡らしたペーパータオルなどで優しく汚れを落とすのがベストです。松茸ご飯や土瓶蒸しなどで楽しむのが人気です。

鯖は昔から、私たちの食卓には欠かせない魚の代表といえます。しめ鯖や味噌煮、塩焼きなど様々な食べ方で親しまれて来ました。近年はその栄養価の豊富さにも注目が集まり、健康食材としての人気も高まっています。秋の鯖は産卵期を終え、餌をふんだんに食べる時期に当たり、脂肪が蓄えられるのでおいしい時期となるのです。

季節の行事「秋のお彼岸」

秋分の日を中心にした前後一週間を「秋のお彼岸」と呼ばれます。春のお彼岸と同様、彼岸入りには仏壇・仏具を清め、お花やお供え物を用意してお墓参りをすることは今も私たちの暮らしの中に、しっかりと根付いている良き風習といえます。ご先祖様から受け継がれてきた命とその想いに感謝を捧げる貴重な時間。日々の暮らしの忙しさの中で、ついつい忘れがちになる先人への感謝を、この時期にはしっかりと思い、毎日を見つめ直して欲しいですね。

暮らしの中の楽しみ「おはぎ」

秋のお彼岸の間には「おはぎ」が登場するので、甘いものが大好物だった筆者は子どもの頃から秋分の日が待ち遠しくてしかたがありませんでした。春分の頃の「ぼた餅」も、もちろん楽しみでしたが、当時は「おはぎ」と「ぼた餅」は似て非なるモノと思い込んでいました。ただ、味はほぼ同じなのに、なぜ違うモノなのか?と不思議な感覚でした。

大人になり、春は牡丹の頃に食べるので「ぼた餅」、秋は萩の頃に食べるので「おはぎ」と呼ばれ、基本は同じモノであると知った時には日本の食文化の奥深さに感動を覚えました。もちろん今でも、この時期の「おはぎ」は何よりの好物です。暑さも収まり、温かな日本茶がおいしく感じる時に「おはぎ」を一緒に楽しめる日が一番ですね。

【参考文献】
※『二十四節気を楽しむ図鑑』|株式会社二見書房2018年刊

※『日本の四季と暦』|株式会社学研パブリッシング2013年刊

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Terry Naniwa

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