
海外に誇れる日本の文化はたくさんありますが、何と言っても四季があることとその季節に合わせた旬の味覚や行事が根付いていることではないでしょうか。そして春夏秋冬はさらに二十四節気・七十二候と分かれ、細やかな季節の移り変わりを感じる大切な目安になっています。日本ならではのこの素敵な季節感を、ぜひ次世代を担う子どもたちにもパパ・ママから伝えて欲しいとの願いから、この特集をお届けします。今回は【処暑】です。
処暑(8月23日頃~9月6日頃)

処暑(しょしょ)の「処」とは、止まるという意味で、厳しい暑さが収まり始まる頃を表しています。この頃から、朝夕には涼しさを感じさせる風が吹き始め、鈴虫や松虫などの鳴き声が聞こえてきます。暑さが和らぎ、穀物が実り始めますが、同時に台風の季節の到来にも当たるので、農家では天気の変化に神経をとがらせる時期にもなるのです。
処暑は七十二候では、初候:綿柎開(わたのはなしべひらく)8月23日~8月27日、次候:天地始粛(てんちはじめてさむし )8月28日~9月1日、末候禾乃登:(こくものすなわちみのる)9月2日~9月6日の3つに分かれます。綿を包む柎が開き始める頃、ようやく暑さが静まる頃、日に日に稲穂の先が重くなってくる頃という意味になります。
旬のもの

この時期を代表する旬のもの言えば、葡萄(ぶどう)、すだちなどがあります。日本では30~40種類の葡萄が栽培されていますが、世界ではなんと一万種以上も存在しているようです。葡萄は上部分が糖度が高いので、下から食べると徐々に甘みが強くなり美味しく食べることができます。最近では皮ごと食べれるシャインマスカットなどが高い人気を誇っています。
徳島県の特産品として名高いすだちは、爽やかな酸味が特長の柑橘類です。実はレモンよりもビタミンCの含有量が多く、夏バテからの回復にも重宝します。間もなく旬を迎える秋刀魚にギュギュっと絞って食べるのが待ち遠しいですね。
季節の行事「おわら風の盆」

毎年9月1日から3日かけて、富山県八尾町で開催される祭りが「おわら風の盆」です。越中おわら節の旋律に乗せ、人々が夜通し踊りに興じます。台風の季節に当たるため、豊作祈願に合わせて、作物が被害に逢わぬよう風神の鎮魂を願う行事として300年以上前に始まり、今に至っています。
編笠を深くかぶった踊り手たちが、胡弓や三味線の哀愁漂う音色に合わせて、夜の町を優雅に練り歩く幻想的な祭りとして広く知られるようになり、毎年、大勢の観光客が訪れ賑わいをみせてます。
暮らしの中の楽しみ「麻婆茄子」

「秋茄子は嫁に食わすな」という昔からの諺があります。この時期の茄子は実においしく誰もが楽しみたい食材なんですが、茄子には身体を冷やしてしまう作用があるので、子宝を授かるお嫁さんの身体を冷やさないように配慮した想いから生まれたという説があります。でも、せっかくおいしい時期を迎えている茄子を食べれないのは悔しいですよね。
それを解消してくれる嬉しいメニューが「麻婆茄子」です。そうお馴染みの麻婆豆腐の茄子バージョン。生姜やにんにく、豆板醤など身体を温めてくれる食材や調味料をタップリ使ったレシピですから、茄子の清熱効果も帳消しにしてくれ、茄子のおいしさを存分に楽しめます。ぜひお家で作って、家族皆で秋茄子の旨みを堪能してくださいね。
【参考文献】
※『二十四節気を楽しむ図鑑』|株式会社二見書房2018年刊
※『日本の四季と暦』|株式会社学研パブリッシング2013年刊