二十四節気を感じて【大暑】~日本の四季のお話~

Terry Naniwa

Terry Naniwa

編集・ライター稼業に従事すること30余年。 子育ては卒業も、新米パパ&ママに先人の教えや 大切な伝統を発信することをライフワークに活動中。 明治、昭和、平成と時をこえて今も息づく暮らしの知恵を 届けます。

海外に誇れる日本の文化はたくさんありますが、何と言っても四季があることとその季節に合わせた旬の味覚や行事が根付いていることではないでしょうか。そして春夏秋冬はさらに二十四節気・七十二候と分かれ、細やかな季節の移り変わりを感じる大切な目安になっています。日本ならではのこの素敵な季節感を、ぜひ次世代を担う子どもたちにもパパ・ママから伝えて欲しいとの願いから、この特集をお届けします。今回は【大暑】です。

大暑(7月22日頃~8月6日頃)

大暑とは、暑さが最も厳しくなる頃を指し、酷暑、極暑、烈暑などと表現されることもあります。夏至から数えて約1ヶ月後、一年で最も気温が高い日が続き、体力的にも厳しい時期になります。近年は地球温暖化の影響で35度を超える猛暑日が増え、熱中症対策が何よりも重要になってきています。屋外での対応は勿論のこと、屋内でもエアコンをしっかり使うことを誰もが意識して過ごすことが大切です。

大暑は七十二候では、初候:桐始結花(きりはじめて はなをむすぶ)7月22日~7月26日、次候:土潤溽暑(つちうるおうて むしあつし )7月27日~8月1日、末候:大雨時行(たいう ときどきにふる)8月2日~8月6日の3つに分かれます。桐が卵形の実を結ぶ盛夏の頃、熱気がまとわりつく蒸し暑い頃、夕立や台風などの夏の雨が激しく降る頃という意味になります。

旬のもの

この時期を代表する旬のもの言えば、ゴーヤ、太刀魚などがあります。沖縄県特産として今では全国的にも広まったゴーヤ(苦瓜)は、ビタミンCを豊富に含んだ夏にピッタリの緑黄色野菜です。特有の苦味成分である「モモルデシン」には食欲増進作用が期待できるので、夏バテ予防や疲労回復には積極的に摂るようにしたい食材です。

太刀魚は癖や臭みもなく、淡白ながらもしっかりとした旨みがあります。加熱しても身が硬くなり過ぎないので、ふっくらとした食感が楽しめます。また皮も薄いため、刺身でも皮ごとおいしく食べれます。塩焼き、天ぷら、刺身と様々な調理で楽しむことのできるので、この時期に人気を集める魚とされています。

季節の行事「ねぶた祭り」

東北三大祭りの一つである「青森ねぶた祭」は、毎年8月2日~7日かけて青森市の中心部で開催されます。幅約9m、高さ約5mの巨大な灯籠「人形ねぶた」が街を練り歩き、「跳人(ハネト)」と呼ばれる踊り子たちの「ラッセラー」という掛け声とともに大いに盛り上がります。奈良時代に中国から伝わった七夕祭と、それ以前からあった精霊送りや人形送りなどの伝統行事が融合し、今に続いています。

一方、同じ青森県の弘前市で開催されるのは「弘前ぬぷた祭」と呼ばれます。“ねぶた”と“ねぷた”の呼び名の違いは、その誕生のルーツを紐解いていくと意味が見えてきます。暑さの厳しい時期の農作業で疲れた身体に襲ってくる眠気や怠け心を追い払う「眠り流し」という行事から進化した祭で、「ねむりながし」という名が、やがて「ねぷた」に転化していったとのこと。ぜひ機会を見つけて、両方の祭を体験してくださいね。

暮らしの中の楽しみ「スイカ」

夏の果物と言えば、何と言ってもスイカ(西瓜)でしょう。夏休みのおやつとしてスイカを食べ、種を飛ばして遊んだ記憶をお持ちの方も多いことと思います。おいしさは勿論、スイカには様々な効能があります。まず全体の約90%が水分で、熱中症予防や夏バテ対策に優れた食材になります。加えて特有成分の「シトルリン」が血流を促してむくみや冷え性の改善に効果を発揮してくれるのです。さらに豊富に含まれる「リコピン」の抗酸化作用でキツイ日差しで傷ついた肌の回復にも役立ちます。まさに夏に最適の果物と言えるスイカ、ぜひ家族皆でおいしく食べて猛暑を乗り切ってくださいね。

【参考文献】
※『二十四節気を楽しむ図鑑』|株式会社二見書房2018年刊

※『日本の四季と暦』|株式会社学研パブリッシング2013年刊

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