ジュースを与える前に知っておきたいポイント
スーパー、コンビニ、自動販売機などで購入できるジュースを子どもが飲めるようになると、パパ・ママは、自分たちでも気づかないうちにジュースを与え過ぎてしまうときがあります。過剰に与えないように、次の2つのポイントを覚えておきましょう。
ジュース(おやつ)は水分補給にはNG
「喉が乾いた」と感じるのは、たくさん汗をかいた後のような、体から水分が出ていった状態のときです。体内の水分が減った影響で血液中の塩分や糖分の濃度が高くなると、それを脳が感知して、「喉が乾いている」というサインを出します。しかし、ジュースを過剰に飲んで、血液中の糖分の濃度が急激に上昇すると、水分を補給しているのに喉が乾いていると誤って認識してしまう現象が起きてしまいます。これをペットボトル症候群といい、まだ喉が渇いていると勘違いして必要以上に飲んで糖分を過剰摂取してしまったり、倦怠感を引き起こす原因にもなります。
子どもは自分がペットボトル症候群に陥っていたとしてもなかなか気づけないので、純粋に喉が乾いていると思い、ゴクゴクと飲み干してしまう危険があります。ジュースは水やお茶の代わりにはならないため、水分補給という目的でジュースを利用しないように注意してください。
スポーツ飲料も飲ませすぎに注意
スポーツドリンクは大人の体にあわせた量の塩分、糖分を含む飲み物です。子どもの水分補給には適していないものなので、ペットボトルから直接飲ませるのはおすすめできません。水で2~3倍に薄めてから与えると、子どもの体への負担を減らし、水分補給という目的も果たせるでしょう。
1日に飲んでもいい量を決めて、毎日は与えない
子どもが癇癪を起こしているとき、気持ちを切り替えるきっかけとして、大好きなジュースを与えて落ち着かせようとするパパ・ママも多いと思います。ですがこの行動が習慣化してしまうと、「泣いたらジュースがもらえる」といった誤った認識を与えてしまう可能性があるので、果汁100%ジュースや野菜ジュースであっても与えすぎないように気をつけましょう。毎日飲ませるのはやめて、与える場合は1日コップ1杯までという明確なルールを子どもと決めておくのがおすすめです。
ジュースは特別なときに楽しむ「おやつ」にしよう
幼児のおやつは、あくまで足りないエネルギーを補うものですが、その味や食感、華やかな見た目はからは、食の楽しさを学べます。中でもジュースは、フルーツや野菜を組み合わせていたり、カラフルな色をしていたり、炭酸の刺激を加えていたりと、バリエーション豊富で子どもの好奇心をくすぐります。そして、ジュースでしか味わえないおいしいさは、その子の食の経験となり、さまざまな食べ物、飲み物に関心を持つきっかけにもなるでしょう。
しかしジュースは飲み過ぎると容易にエネルギーを過剰摂取してしまうので、健康に影響を及ぼす前に、特別なときに楽しむ「おやつ」にするのがおすすめです。日常的に飲む習慣を作らないように、「遊びに行ったとき」「お祝いのとき」などの楽しみにして、甘くておいしい飲み物とも上手に付き合っていきましょう。
次回は子どもに食事のマナーを身につけさせるために、親子で考えたい「食事のルール」の決め方を紹介します。
※『はじめてのママ&パパのしつけと育脳 』|株式会社主婦の友社2017年刊