『夏の疲れにオススメ!かぼすの魅力に迫る』~子どもと一緒に食を考える #90

  1. HOME >
  2. HOT >

『夏の疲れにオススメ!かぼすの魅力に迫る』~子どもと一緒に食を考える #90

Terry Naniwa

Terry Naniwa

編集・ライター稼業に従事すること30余年。 子育ては卒業も、新米パパ&ママに先人の教えや 大切な伝統を発信することをライフワークに活動中。 明治、昭和、平成と時をこえて今も息づく暮らしの知恵を 届けます。

お料理に添えるだけで、その品の格をワンランクアップしてくれる「かぼす」。天ぷらや唐揚げなどの揚げ物に果汁を搾れば脂っこさを和らげてくれますし、うどんや蕎麦などの麺類にも相性抜群の柑橘類です。露地ものはまさに今が旬、今回はお料理の名引き立て役の魅力について迫ります。

大分県無くしてかぼすは非ず

かぼすは漢字では「香母酢」と記されますが、「香りの良い酢」という意味を当て字にしたとされています。諸説あるようですが、江戸時代では蚊よけに刻んだかぼすの皮を使っていたことから、「蚊いぶし」~「かぶし」~「かぼす」に訛化したのが名前の由来とされています。

旬の時期は、ハウス栽培のものでは3月~7月頃、露地栽培のものは8月~10月頃と、まさに今が最盛期を迎えています。冬の時期には収穫して貯蔵しておいたものが流通し、私たちの食卓を彩ってくれています。国内では年間で約5,500トンほど収穫されており、そのうちの約99%を占めているのが、大分県なんです。その次に愛媛県、福岡県と続きますが、その差は圧倒的!大分県なくしては日本のかぼすは語れないのです。

かぼすとすだちの違いは?

かぼすと同じタイプの柑橘類にすだちがあります。色も同じような緑色で、どちらも薬味として使うことが多いので、パパキャリ世代の皆さんはお店で出てきたときに区別がつかないというは多いのではないでしょうか。見た目も風味もよく似ているかぼすとすだちですが、一体どのように見分ければいいのでしょうか?

まずかぼすは、大きさはテニスボール大(約150g)で、香りは上品で酸味は和かいのが特徴です。一方のすだちは、大きさはゴルフボール大(20~40g)で、香りは清々しく酸味が強いのが特徴、そして徳島県産が大半を占めています。このように、実際に比べてみるとその違いは歴然、見分け方は大きいほうがかぼす、小さいほうがすだちで、それぞれテニスボール、ゴルフボールと覚えておけば、分かりやすいですね。

夏の疲労回復にも効果的なかぼす

かぼすは、すだち、柚子、レモンなどと同じ「香酸柑橘」と呼ばれており、酸味を多く保有しているため生食には向いていないとされています。そのため搾り汁や果皮をすりおろしたものをお料理や飲み物に添えるように使われるのが主流です。その爽やかな香りと酸味が、それぞれを味を引き立ててくれる名脇役として活躍してくれます。

そして味を引き立ててくれるだけでなく栄養効果面でも、この時期に嬉しい効能を発揮してくれるのです。果皮に含まれている「リモネン」には、リラックス効果がありますし、果汁の酸味の素となる「クエン酸」は疲労回復の力強い味方になってくれるのです。猛暑・酷暑続きで疲れ気味のパパ・ママは、すだちを積極的に採り入れて、疲労回復を図りましょう。

かぼすの上手な搾り方

すだちやレモンと比べて、ふんわりと和かな酸味のかぼすは様々なお料理や飲み物に活躍してくれます。基本的には果汁を搾ってかけるのスタイルですが、その搾り方ひとつで、よりおいしさが引き立つコツがあるので、覚えておきましょう。

その搾り方は、いたって簡単です。画像のようにかぼすを上向にして搾るだけ。搾り汁が表面の皮をつたって落ちていきますので、皮にある香り成分が移り、より香りを感じさせてくれるのです。ぜひ、実践してくださいね。また、かぼすの実が硬い時はくし切りにして、包丁で果肉に切れ目を入れればより搾りやすくなりますよ。

家族みんなでかぼすの魅力を楽しみましょう

他の柑橘類と比べてやさしい酸味のかぼすは、パパ・ママはもちろんお子さんにも無理なく使えるので、ぜひ、家族みんなで楽しんで貰えればと思います。いつもの味噌汁にかぼすの搾り汁とおろした皮を入れれば、味噌と絶妙なマリアージュとなり、感動のお味になりますよ。そして、冷たいそうめんやうどん、焼き魚、揚げ物などにシュッと絞ったり、焼酎やサイダーに搾り汁を入れたりと幅広く活躍してくれます。また、甘い梨や桃などの旬の果物に搾り汁をかけると驚きの調和を出してくれるので、一度、試してみてくださいね。

【参考文献】
※『たべもの起源事典』|株式会社東京堂出版2003年刊
※『からだのための食材大全』|株式会社NHK出版2016年刊

-HOT, 食・レシピ
-, , , ,