食事作法を教えるときの注意点
食事作法は大人になっても他人から見られるので、一緒に食事をする相手が不快に感じないように必ず身につけておきたいことです。そのため、どうしてもスパルタになってしまうパパやママが多いように感じます。
ここでは、食事作法を教えるときに注意したいポイントについて紹介します。
- パパ・ママが正しい食事作法を実践する
- 食事の時間は楽しいと伝える
- ダメな理由を説明し目標を明確にする
- どこにいても同じ食事作法を守る
パパ・ママが正しい食事作法を実践する
食事作法を身につけるときに子どものお手本になるのは、間違いなくパパ・ママなど身近な家族です。ということは、まずは周りの大人がしっかりと食事作法を身につけていることが大切です。この頃の子どもは、マネっこが大好きでとっても得意です。そのため、自分の周りの人についてよく観察しているので、言葉でうまく伝えられなくても目で見てマネをすることで自ら学習していくこともたくさんあります。子どもは大好きな家族のことをとってもよく見ているので、覚えてほしいことはパパ・ママが正しい作法で実践して見せてあげるようにしましょう。
食事の時間は楽しいと伝える
食事作法を教えるタイミングは、もちろん食事中に多くなりますが、パパ・ママにはあまり細かく注意しすぎないように心がけてほしいと思います。食事は本来楽しいものですよね。子どもが食事を楽しいと感じてくれないことには、スムーズな食事作法の教育は実現しません。食事が苦行になってしまっては、そこから何か学ぼうなどと思えないのです。
ガミガミと小言を言うパパ・ママも多いようですが、いくらガミガミと言っても子どもには届いていません。ゆっくり時間をかけ見守り、できるようになったことに目を向けて温かく褒めながら、子どもを導いてあげてください。
ダメな理由を説明し目標を明確にする
とはいえダメなものはダメですから、ビシッと叱る場面も必要です。。わたしが叱る判断する基準は、食べ物を粗末にする行為かどうかです。食べ方がキレイかどうかは、今は二の次。お皿をわざとひっくり返したり食べ物を投げたりした時には、本気で叱ります。ものすごく怒っているアピールをし、いけないことだと理解してもらうことが大切だと考えています。
でも、叱るだけではなくちゃんとダメな理由を説明することを忘れてはいけません。せっかく楽しく食事をしていたのに急に怒られた、と子どもが理解してしまうのを防ぐために、とても重要ですよ。意味がわからないということは、また繰り返すということ。食事中に叱る行為を少しでも減らしていくためには、なぜダメなのかをあわせて教えることが絶対に必要です。子どもが自分で食事をすることが増えてきてからは、ダメなことは本気で叱り、しっかり説明するといいですね。家庭のルールとして、これだけはダメというポイントをパパ・ママで共有しておくこともおすすめですよ。
どこにいても同じ食事作法を守る
最後に、食事作法を教えていくうえで大切なことが一貫性です。食事作法は本来、食事のたびに同じ水準を保つべきものですよね。しかし、家での食事と外での食事で作法が変わってしまうパパやママもいると聞きます。さきほどもお伝えしたように、子どもはしっかり周りを見ているので、外食の時には周りの目があるから叱らないなどといったパパ・ママの都合にも必ず気が付き、叱られないと思ったら家で叱られている行動をあえてやる子どももいます。
つまり、食事作法をしっかり教えるのであれば、パパ・ママもどこにいても一貫した対応をとる必要があります。言い換えれば、外でできないような叱り方はおうちの中でもしないようにしたいですね。
食事の楽しさをしっかり教えよう
ここまで、壁にぶつかりやすい食事作法の教え方についてお伝えしてきましたが、最後にまとめておきましょう。
子どもに食事作法を教えるポイント
- 食事作法は離乳食期から時間をかけて習慣化させていく
- 座って食べることで食事に集中させる
- 食事の挨拶も習慣化させる
- スプーン・フォーク・箸の使い方は成長に合わせてゆっくりと
- パパ・ママが正しい作法を守った食事をする
- 食事は楽しいことだと伝えることが何より大切
大人になってから直すのがとても大変なのが食事作法です。しかし、幼少期からしっかり教えておきたいと気合が入りすぎると、食事の時間が苦行になってしまう可能性もあります。
食事作法は短期間で身につけるものではなく、何年もかけて習慣化させるものです。楽しい食事の中で自然と食事作法が身につく理想的な状況を作るためにも、まずは家族で取る食事が楽しい時間になるよう心がけるといいですね。子どもは、学びたいと感じたことは勝手にマネして習得するので、パパ・ママが正しい作法を守って楽しく食事をしていれば、自然とさまざまな作法をマネしていくでしょう。
キレイに食べることも大切ですが、家族で楽しく食べる食事から学べることもたくさんあります。他の子と比較したり思いつめたりせず、ゆっくり気長に構えて教えていきましょう。